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2018年5月13日
全日本ロードレース選手権 第3戦 オートポリス スーパー2&4レース2018 会場:大分県・オートポリスサーキット
悪天候に翻弄され、ヨシムラスズキ渡辺6位、津田11位
5月12日・13日に大分県オートポリスサーキットで、全日本ロードレース選手権シリーズ第3戦 オートポリス スーパー2&4レース2018が開催された。今回のレースにスズキ勢からは、ヨシムラスズキMOTULレーシングの津田拓也、渡辺一樹、Team KAGAYAMAの加賀山就臣、エスパルスドリームレーシング・IAIの生形秀之らが参加した。
今回のレースは事前テストが行われず、全チームが金曜日のART走行からレースに向けての準備を進めることとなった。幸いなことに金曜、土曜と安定したドライコンディションでスケジュールを進めることができていたが、決勝日の天気予報は雨。悪天候になると霧が出てレースを行うことが難しくなることが多いコースだけに、大きな懸念を抱きながらレースウイークのスケジュールを消化していくこととなった。 金曜日は1時間のセッションを2本走行した。1本目ではこのコースのレコードを持つ渡辺が1'49.326で3番手となり、GSX-R1000でこのコースを初走行ながら見事な滑り出しを見せた。6番手に加賀山、津田は転倒もあり10番手、生形22番手と続いた。2本目で渡辺はさらにタイムを詰め、1'48.788で3番手。津田6番手、加賀山12番手、生形16番手となった。 翌土曜日も綺麗に晴れ上がり、予選時には26度まで気温が上がっていった。今季初のノックアウトスタイルでの予選となって最初に45分間のQ1と、その後にトップ10人による15分間のQ2が行われた。Q1では津田が1'49.020で4番手に付け、渡辺が1'49.201で6番手と続く。加賀山は1'49.733でセッション終盤まで10番手に付けていたが、最後にタイムを上回るライバルが出現し、11番手で残念ながらQ2進出は果たせなかった。生形はセットアップを進めながら1'51.051で18番手となった。Q2では、渡辺が1’48.249で2番手、津田が1’48.437で3番手となり、決勝はヨシムラスズキの2台がフロントロースタートとなった。 決勝日は天気予報が当たり、早朝から雨。しかも朝からコース上を厚い霧が覆い、十分な視界が確保できないため、ディレイとされた。結局、タイムスケジュールに関する改訂版が4回出される中、奇跡的に霧が晴れ、雨も止むピンポイントのタイミングでレースを行うことができた。 決勝は12時30分から、当初予定されていた20周より5周減算の15周となった。フリー走行では加賀山が4番手、津田5番手、渡辺6番手と上位に付け、決勝への期待が高まる。 雨が止んではいるが、コース上は未だ濡れている。グリッド上では各チームとも、ドライ用かウエット用かのタイヤ選択をどうするかライダーとスタッフのミーティングが行われていた。 そうしてレースがスタート。序盤は、中須賀克之選手(ヤマハ)、高橋巧選手(ホンダ)と渡辺の3台でのトップ争いとなり、その後ろで津田と加賀山が5番手争いを展開。5周目の1コーナーで渡辺がトップに立ち、レースをコントロールしようとする。レインタイヤを選択したライダーが序盤は上位を争っていたが、路面がどんどんと乾いていき、ドライ用タイヤを選択したライダーが大きくタイムを上げ、追い上げてくる。結局、レース終盤は路面が乾いてしまい、レインタイヤを履くライダーはコース上にとどまるのが精一杯の状況となり、渡辺6位、津田11位、加賀山20位、生形25位でゴールとなった。 ヨシムラスズキMOTULレーシング No.12 津田 拓也(JSB1000クラス 予選3番手・決勝11位)
「金曜日1本目の走行で転倒してしまい、初日の走行時間を上手く使うことができなくなってしまいました。それでも土曜日の予選の中で3番手のタイムを出すことができたのは、良くない流れの中ではポジティブな結果だったと思います。決勝に向けてのフリー走行では未だ路面が濡れていて、それでも順位的には5番手でしたし、少しアジャストすればさらにタイムを上げられる手応えがあったので、その流れの中でレインタイヤを選択したのですが、結果的にそのチョイスが外れてしまいました。開幕戦の第1レースでライバル勢と違うタイヤ選択をして大外れとなってしまったので、今回は上位のライダーと同じ選択でいこうと考えました。その選択自体は定石だと思いますが、ライバル勢と一緒に苦しい戦いになってしまい、決勝中はとにかくコース上にとどまることだけで精一杯で、勝負するとかチャレンジするとかということはまったくできませんでした。」ヨシムラスズキMOTULレーシング No.26 渡辺 一樹(JSB1000クラス 予選2番手・決勝6位)
「事前テストがない状況の中、初日トータル3番手という走り出しで、手応えを感じながらレースウイークを過ごすことができました。第1戦、第2戦と戦う中で積み上げてきていることが間違った方向ではないということも確認でき、そこはとてもポジティブに感じました。予選のQ1ではマシンにちょっとしたトラブルが出てしまい、時間を有効に使うことはできなかったのですが、Q2ではうまくタイムを出すことができて、ドライコンディションではトップタイムの中須賀選手と同じ土俵で戦うことができるレベルには至っていませんが、それでもきちんと成長できていることを予選2番手という結果で証明できたのは良かったと思います。決勝前のフリー走行も良いフィーリングで走ることができ、序盤の路面が濡れている状況の中でトップ争いに加わり、トップに出ることもできました。結果的には路面が乾き、スリック勢に抜かれて6位という結果に終わりましたが、上位勢とトップ争いをし、さらにその前に出ることもできたのは自信になりました。結果は悔しいですが、それをモチベーションにしてしっかりトレーニングし、次のSUGOでは負けないようにしたいと思います。」ヨシムラスズキMOTULレーシング 加藤 陽平 監督
「シーズンオフから準備してきていることがやっと少しずつ形になってきている印象です。今回は事前テストがないということで、ぶっつけ本番の形で金曜日の走行から始まったのですが、その中で前に進むことができ、予選2、3番手というポジションに付けることができたのは、今まで積み重ねてきていることが一つ形になったと感じています。決勝は、表彰台に上ったライダーたち全員がスリックタイヤを選択していたわけですが、よくあの状況でそのチョイスができたなと思います。我々も準備はしていたものの、最終的にそこはライダーの判断としていますし、彼らは二人ともスリックの選択は厳しいと言うことでしたし、我々もそう感じました。次のSUGOは事前テストがありますし、しっかりテストをして確認を行い、上位陣としっかりと勝負していきたいと思います。」Team KAGAYAMA No.71 加賀山 就臣(JSB1000クラス 予選11番手・決勝20位)
「事前テストがない状況の中、去年のセットアップでスタートし、去年のタイムを上回ることはすぐにできたのですが、2014年の自分のタイムには届かず、なかなか速さを発揮するレベルに持って行くことができませんでした。決勝はウエットレースになりそうで、その状況であればライバルと対等に戦えると思っていたのですが、少し硬めのタイヤを選択したらそれが上手く路面コンディションに合っていなかったようで、うまく性能を発揮させられず、苦しいレースになってしまいました。なかなか厳しいレースが続きますが、それでもアベレージは去年よりも良いですし、そこにさらに速さを加えられるよう引き続きマシン開発とセットアップを続けていきます。今回もたくさんの方に応援いただき、ありがとうございました。皆さんの期待に応えられるよう引き続き頑張ります。」Team KAGAYAMA 斉藤 雅彦 監督
「事前テストがなかったため、去年のセッティングをベースに走り出しました。去年よりもフィーリング自体は悪くなく、それはタイムにも反映されていたのですが、ライバルと比べると、もっと上げ幅を大きくしないと厳しいですね。決勝は結果的に言えばスリックタイヤが正解だったのでしょうが、あのコンディションでは仕方ないですね。」エスパルスドリームレーシング・IAI No.25 生形 秀之(JSB1000クラス 予選18番手・決勝25位)
「決勝はドライタイヤを履くチョイスができなかったのが悔しいですね。予選結果も良くなかったですし、そういう意味でも守るべきものはなかったのだから、スリックタイヤを履くギャンブルに出ても良かったはずですが、でも正直言ってあの路面の中をドライタイヤで走る自信がまだないですし、マシンの仕上がり的にもそれはリスクが高すぎました。今は未だ我慢の時期で、とにかく一つ一つ積み上げていくしかないと感じています。」エスパルスドリームレーシング・IAI 松本 圭司 監督
「前回の鈴鹿の仕様をベースとして持ち込みました。本来ならセカンドグループの中で勝負できるはずですが、未だそこすら遠い状況です。結局、ドライコンディションでのセットアップができて初めてウエットでのセットアップができるわけで、それができていない現状では、とてもウエットで勝負をかけるようなことはできません。決勝のあのコンディションで、チームとして失うものは何もないのだから勝負に出ても良い状況ではありましたが、チームとしても十分に機能できていないので、そこでスリックという選択に掛けることもできませんでした。3年前にスポット参戦して、そのときに初日1分51秒、二日目1分50秒、レースでは1分49秒という走りができているのに、今回は1分50秒フラットがベスト。簡単ではない、ということです。とにかくマシンを走らせて、積み上げていくしかないですね。」第3戦 オートポリス スーパー2&4レース2018 JSB1000 決勝結果
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