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全日本ロードレース選手権
2017年11月5日
全日本ロードレース選手権 第9戦(最終戦) MFJグランプリ スーパーバイクレース in 鈴鹿
場所:三重県・鈴鹿サーキット

ヨシムラスズキMOTULレーシング津田拓也、ランキング2位獲得
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ニューマシンGSX-R1000Rのデビューとなる今季のスズキ勢の中で、ヨシムラスズキMOTULレーシングの津田拓也は、JSB1000開幕戦となる第2戦鈴鹿2&4で2位。その後、第3戦SUGO10位、第4戦もてぎ3位、第5戦オートポリス2位、第6戦もてぎ2位、第7戦オートポリス3位、第8戦岡山4位と安定して上位を走り、ポイントリーダーで最終戦鈴鹿MFJ-GPを迎えることとなった。最大のライバルは津田を6ポイント差で追う高橋 巧(ホンダ)。そしてさらに11ポイント差で渡辺一馬(カワサキ)となっている。最終戦は2レース行われ、第1レースが8周、第2レースが20周と、短期決戦と比較的長めという両極端な距離設定がされている。2レースとも、彼ら二人の前でゴールすれば、津田にとって初タイトル獲得となる。そしてこれは同時に、スズキ、ヨシムラにとっても2007年以来久々のタイトル獲得となる。スズキ勢としては津田の他に、ヨシムラスズキMOTULレーシングの濱原颯道、Team KAGAYAMAの加賀山就臣と浦本修充、MotoMapSUPPLY FutureAccessの今野由寛らが参戦した。例年、11月初旬に行われるこの最終戦は雨にたたられることが多かったが、今回の週末は晴れが続き、その点ではチームにとって悩まされることのないコンディションとなった。

今回は事前テストがないこともあり、レースウイークは通常よりも一日早い木曜日からスタート。初日の走行で津田はいち早く2分7秒台へ入れ、順調なスタートを切ったかに見えたが、その後は転倒もあり、7番手となった。これに加賀山が9番手で続き、さらに濱原13番手、前週、前々週とスペインでレースを戦ってきた浦本は17番手、今野19番手で初日スタートとなった。

金曜日のART合同走行でも津田の苦しい状態は続き、2'07.552で9番手。対照的に前回の岡山から調子を上げてきている加賀山は津田の一つ上となる8番手、濱原14番手、浦本16番手、今野18番手という順位で二日目を終えた。

土曜日の予選は最初に30分間の計時予選Q1で上位10名を選出。このセッションでの順位が第2レースのスターティンググリッドとなり、上位10名のライダーによるQ2セッションの順位が第1レースのスターティンググリッドとなる。津田はQ1で9番手、Q2で8番手となり、第1レース8番手、第2レース9番手からスタートすることとなった。またQ1で加賀山が9番手に付けてQ2へ進出。濱原12番手、浦本16番手、今野17番手となった。Q2へ進出した加賀山は自身久々となる2'06.823と2分6秒台へ入れ、第2レースは7番グリッドからスタートすることになった。予選開始時の気温が手元の計測では26度、そこから予選終了時間には17度まで急激に下がり、タイヤチョイスなど非常に難しい予選コンディションだった。

決勝日はその寒さは続く中、朝のウォームアップ走行が行われ、津田5番手、加賀山8番手、濱原11番手、浦本16番手、今野17番手となった。

いよいよ8周の第1レースがスタートとなる。ところがウォーミングアップラップで1台が裏ストレートでストップ。この撤去に手間取り、スタートがディレイされ、そのために1周減算の7周で行われることとなった。スタートで上手く飛び出した加賀山に津田も続き、1周目をそれぞれ5番手、8番手でクリア。トップグループに追い付きたいところだが、2分6秒台から5秒台へ入れるトップに対して津田は2分7秒台のラップとなり、加賀山7位、津田8位でゴールとなった。この結果、津田は3ポイント差でランク2位にポジションダウン。第2レースでの巻き返しが期待された。また濱原が9位となり、着実にポジションアップしてきている。今野15位、浦本17位となった。

20周となる第2レースでは、加賀山が見事なスタートダッシュを決め、1コーナーに3番手で飛び込んだ。津田は今ひとつ上手く前に出られず、オープニングラップは10番手。トップグループに追い付こうとする津田は安定して2分7秒台でラップし、4周目8番手、6周目6番手とポジションを上げるが、先頭には追い付かず、5位まで順位を上げてチェッカーとなり、トップと9ポイント差のランキング2位で今シーズンを終えることとなった。好スタートを切った加賀山は序盤、6番手に付けていたが、ゴール時には12位まで順位を落とし、対して濱原は着実に順位を上げていって9位。浦本14位、今野は17位の位置を走っていたがマシントラブルが起きてしまい、ラストラップで止まってしまった。

2017年型GSX-1000Rは今シーズン、マン島TTシニアクラスでマイケル・ダンロップの優勝を筆頭に、アメリカのAMAスーパーバイク選手権でトニ・エリアス、ロジャー・ヘイデンがランキング1、2位を獲得。オーストラリアスーパーバイク選手権ではジョシュ・ウォーターズがチャンピオン獲得と、世界各国の選手権でタイトル獲得を果たし、全日本では最後までタイトル争いに加わりランキング2位。最終戦直後には来季に向けた開発テストが行われ、既にタイトル獲得に向けたスタートが切られ、さらなる活躍が期待される。

またランキング3位のポジションでJ-GP2クラスに参戦したエスパルスドリームレーシングの生形秀之は予選8番手からスタート。5位でチェッカーとなり、ランキング3位で今季を終えることとなった。

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ヨシムラスズキMOTULレーシング No.12 津田 拓也(JSB1000クラス 第1レース予選8番手・決勝8位/第2レース予選9番手・決勝5位/ランキング2位)
「すべては初日のつまずきでした。事前テストがない場合は、前戦の仕様をベースに走り出すのですが、そこに良かれと思って新たなギヤレシオのトライを加えたのが結果的に足を引っ張ってしまい、その対策で一日目を費やしてしまったことから、ライバルに対して大きなビハインドとなってしまいました。その差が最後まで詰められず、レースウイークを通して苦しい戦いになってしまいました。本当に残念で言葉がありません。」

ヨシムラスズキMOTULレーシング No.50 濱原 颯道(JSB1000クラス 第1レース予選12番手・決勝9位/第2レース予選12番手・決勝9位/ランキング7位)
「今年の集大成となる最終戦だったのですが、初日の走り出しでまったく自分のイメージ通りに走れず、本当に苦しいウイークでした。セッションを終えてから夜も眠れず、ずっと対策を自分の中で考え、とにかく出来ることすべてをやろうとトライしました。結果的に両レースとも9位なのですが、自分の引き出しの中にあるものすべてを出し、レース中には今季なかなか出来なかった制御系を変更して走り方を変えたりして、やるべきこと、出来ることはすべてやって出た結果なので、これに対しては胸を張りたいと思います。初のJSB1000クラス全戦参戦だったのですが、本当に楽しいシーズンでした。チームの皆さんに感謝しています。」

ヨシムラスズキMOTULレーシング 加藤 陽平 監督
「チャンピオン目指して臨んだ最終戦だったのですが、残念ながら全然力が足りなかったと思い知らされたレースになってしまいました。ハード、ソフトともにチームとして出来ることはトライし続けたのですが、スイートスポットに上手く入らず。苦しい戦いになってしまいました。とは言え、前を向いてトライし続けるしかありませんし、来週にはテストもあるので、着実に積み重ね、来季はぜひ逃したタイトルを手中に収められるようしっかりと準備していきたいと思います。」

Team KAGAYAMA No.71 加賀山 就臣(JSB1000クラス 第1レース予選7番手・決勝7位/第2レース予選8番手・決勝12位/ランキング10位)
「オートポリス、岡山と良い流れで来て、このウイークも今季、積み上げてきたものをうまく発揮できるようになり、攻められるバイクに仕上がりました。久々に2分6秒台にタイムを入れることもでき、スズキのオートバイの良いところを出せるようになってきました。第1レースは7位で、本当は表彰台圏内まで行きたかったのですが、なかなかそれは難しかったですね。第2レースは、やはりタイヤを最後まで良い状態で持たせられるセットアップができず、そこでタイムを落としてしまい、12位でフィニッシュとなりました。マシン的にはすごくフィーリングも良かったし、ぜひそれを結果に繋げたかったので残念です。とは言え、チームのライダー三人が無事にレースを終えられたのは皆さんのおかげだと痛感しています。来年のことはまだ何も決まっていませんが、できるだけ早いタイミングで良いニュースをお知らせできるようチーム体制を作っていきたいと思っています。1年間、応援ありがとうございました。」

Team KAGAYAMA No.94 浦本 修充(JSB1000クラス 第1レース予選16番手・決勝17位/第2レース予選16番手・決勝14位/ランキング13位)
「今回は一日早いレースウイークのスタートで、スペインで学んだことを上手く生かせればと考えていたのですが、流れも作れずセッティングも詰め切れず、悔いの残る最終戦となってしまいました。今年ずっと抱えてきたトップとの差も詰められず、本当に悔しいです。たくさん課題があるので、シーズンオフにじっくり考え、来年に向けた良い準備をしたいと思います。」

Team KAGAYAMA 斉藤 雅彦 監督
「天気が安定していたので、チームとしてはセットアップを進めるのに助かりました。加賀山はオートポリス、岡山と上向きだったので、その流れをうまく生かせたと感じています。浦本はスペインでの2レースが今ひとつ良い流れにならず、それをこのレースウイークに引きずってしまった印象です。さらに第1レースのサイティングラップでマイナートラブルが出てしまい、万全の状態で2レースともに戦えなかったのは申し訳なく思います。チームとしては2分6秒台に入りましたし、この流れで来年に向けて準備を進めていこうと考えています。」

MotoMapSUPPLY FutureAccess No.32 今野 由寛(JSB1000クラス 第1レース予選17番手・決勝15位/第2レース予選17番手・決勝DNF/ランキング26位)
「前回の岡山の仕様から足回りはJSB1000仕様に変更し、どれくらい戦えるかがテーマとなりました。最終戦でライバルはマシンが仕上がっていますし、厳しい戦いにはなりましたが、それでも2分9秒フラットは出ましたし、スタンダードエンジンにキットの電気系を組み合わせればそれくらい出るんだという、ユーザーの指標にはなったのではないかと思います。」

MotoMapSUPPLY FutureAccess 愛知 靖史 監督
「新型マシンに合う足回りと今シーズン途中からの参戦の中で造り上げ、それをこの最終戦に持ち込んだわけですが、まだ問題点を洗い出す状態なので、戦いとしては苦しかったですね。でもチームとしてやるべき仕事はしっかりこなすことが出来ました、残念ながら第2レースはテストしている物の問題で止まってしまったのですが、そういう意味で問題点は出せたので、良かったと思います。」

エスパルスドリームレーシング No.4 生形 秀之(J-GP2クラス 予選8番手・決勝5位/ランキング3位)
「今季はさらなるレベルアップを目指し、足回りを大きく変えて戦ってきて、良い方向だと思っていたのですが、この鈴鹿のコースには結果的に合っていなかったようですね。そのアジャストを色々やったのですが、何をやっても良い方向にならず苦しい戦いになってしまいました。チャンピオン目指して戦っているので、ランキング2位も3位も自分の中では一緒です。苦しい最終戦でした。」


Result
JSB1000クラス 決勝結果(第1レース)
順位ライダーチームTime/Gap
1中須賀 克行YAMAHA FACTORY RACING TEAM14'44.962
2高橋 巧MuSASHi RT HARC-PRO. Honda+3.909
3野左根 航汰YAMAHA FACTORY RACING TEAM+4.133
4渡辺 一馬Kawasaki Team GREEN+4.285
5藤田 拓哉YAMALUBE RACING TEAM+5.026
6山口 辰也TOHO Racing+12.729
7加賀山 就臣Team KAGAYAMA+12.980
8津田 拓也ヨシムラスズキMOTULレーシング+13.278
9濱原 颯道ヨシムラスズキMOTULレーシング+13.914
10清成 龍一MORIWAKI MOTUL RACING+14.399
15今野 由寛MotoMapSUPPLY FutureAccess+27.281
17浦本 修充Team KAGAYAMA+31.891
28樋口 耕太H.L.O RACING+1'08.568


JSB1000クラス 決勝結果(第2レース)
順位ライダーチームTime/Gap
1中須賀 克行YAMAHA FACTORY RACING TEAM42'24.991
2高橋 巧MuSASHi RT HARC-PRO. Honda+2.420
3渡辺 一馬Kawasaki Team GREEN+2.606
4藤田 拓哉YAMALUBE RACING TEAM+3.375
5津田 拓也ヨシムラスズキMOTULレーシング+24.774
6山口 辰也TOHO Racing+28.650
7清成 龍一MORIWAKI MOTUL RACING+32.828
8高橋 裕紀MORIWAKI MOTUL RACING+39.588
9濱原 颯道ヨシムラスズキMOTULレーシング+42.659
10野左根 航汰YAMAHA FACTORY RACING TEAM+46.046
12加賀山 就臣Team KAGAYAMA+56.102
14浦本 修充Team KAGAYAMA+1'09.610
DNF今野 由寛MotoMapSUPPLY FutureAccess+1Lap
DNF樋口 耕太H.L.O RACING+3Laps


J-GP2クラス 決勝結果
順位ライダーチームTime/Gap
1作本 輝介Team髙武 RSC32'52.491
2関口 太郎SOX Team TARO PLUSONE+0.371
3石塚 健WILL-RAISEracingRS-ITOH+5.177
4岩戸 亮介Team 髙武 RSC+11.591
5生形 秀之エスパルスドリームレーシング+16.263
6三原 壮紫Team KAGAYAMA+20.339
7KUBO KEMINTHThailand ヤマハチームノリック+20.782
8岩崎 哲朗OGURAclutch with パワービルダー+21.002
9柴田 陸樹RS-ITOH&AUTOBOY+32.934
10徳留 真紀マルマエPLUSONE+35.753
17村瀬 健琉ミクニ テリー&カリー+1'43.499