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全日本ロードレース選手権
2017年8月20日
全日本ロードレース選手権 第6戦 ツインリンクもてぎ 2&4レース
場所:栃木県・ツインリンクもてぎ

津田拓也、コースアウトから追い上げて2位表彰台獲得
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鈴鹿8耐から3週間のインターバルを挟み、全日本後半戦となる第6戦ツインリンクもてぎ2&4が行われた。例年であれば真夏日の中で開催されるこのレースだが、今年は8月に入ってから雨が続き、今回のレースも事前の天気予報では雨とされていた。またツインリンクもてぎがオープンして今年で20周年ということから、いつもはJ-GP2クラスが行われる第6戦だが、今回はアニバーサリーということで全日本トップカテゴリーのJSB1000クラスが行われた。スズキ勢からは、ヨシムラスズキMOTULレーシングの津田拓也と濱原颯道、Team KAGAYAMAの加賀山就臣と浦本修充らに加え、鈴鹿8耐に参戦したMotoMapSUPPLY FutureAccessの今野由寛が後半戦から参戦することになった。

金曜日のART合同テストは1本目をドライで走行できたが、午後は走行前に雨が降ってしまい、ウエット路面から乾いていく微妙なコンディションとなった。そんな中、1本目で津田は1'50.095の3番手タイムをマークして好調なスタートを切った。加賀山が1'52.278で10番手、浦本1'52.641で13番手、今野が1'52.786で15番手、濱原1'52.906で16番手と続く。2本目のウエットコンディションでも津田は3番手に付け、浦本4番手、加賀山6番手、今野8番手とスズキ勢が上位に付ける中、濱原は17番手とやや苦戦を強いられてしまった。

翌土曜日の予選日は雨の心配もされたが、結果的にセッション途中で太陽が出てくるコンディションとなり、ドライで行うことができた。今回の予選は最初に30分間の計時スタイルで行われ、上位6名はそのままQ3へ進出。7位から26位までが20分間のQ2へ進み、その中の上位四名がQ3へ、というノックアウト方式が採られた。津田は最初のセッションで3番手に付け、そのままQ3へ進出。濱原9番手、加賀山10番手、浦本13番手、今野15番手でそれぞれQ2へ駒を進めた。Q2では終盤まで浦本がQ3進出の位置に着けていたが、最後に逆転されて5番手となり進めず。それでもタイムを1'50.861と50秒台へ入れ、チームとしてもなかなか50秒台へタイムを入れられずに苦戦を強いられていたが、着実に進化していることを証明して見せた。加賀山が6番手で続き、さらに濱原7番手、今野10番手となった。20分間のQ3では津田が1'49.145と、もう少しで48秒台が見えるところまでペースを上げ、3番手で終了してフロントローからのスタートとなった。これにより浦本が11番手、加賀山12番手、濱原13番手、今野16番手の位置からゴールを目指すことになった。

決勝日は青空が見え、気温も朝のフリー走行の時点では26度、路面温度30度というコンディション。津田は3番手で決勝への期待が高まる。チームメイトの濱原がコースアウトして転倒。ピットに戻ってくるが、ライダーにケガはなく、マシンの損傷もそれほどではなかったため、時間内に修復してコースに戻ることができた。濱原は最後に出したタイムで7番手となり、やや苦戦を強いられていたレースウイークだったが、復調の兆しを見せている。加賀山11番手、浦本12番手、今野16番手と続いた。

気温30度、路面温度35度まで上がったところでレースがスタート。うまくスタートダッシュを決めた津田はトップで1コーナーに入ることができたが、ややスピードが高すぎたようで少し大回りしたため2コーナーで抜かれてしまい、3番手に。津田の前を走る2台のヤマハ勢が2周目に1分49秒台へ入れると、津田も1'49.492に上げて追いかける。しかしスタート直後から津田のマシンにマイナートラブルが出てしまっており、コーナー進入の安定性に少し問題を抱えてしまっていた。なんとか3番手の位置をキープしていた津田だが、6周目のV字コーナーでコースから飛び出してしまい、すぐに戻ることができたものの、6番手に順位を落としてしまう。これで吹っ切れたという津田は果敢にコースを攻め、1分49秒台のハイペースラップを重ね、13周目には1'49.313と予選並みの速さで前車を追走。今回も23周というロングディスタンス設定であったことも津田に味方し、19周目に3番手に。直後にトップが転倒したこともあり、津田は2位でチェッカーとなった。濱原はうまくスタートで飛び出すと、7番手までポジションアップし、8位でゴールとなった。浦本は着実にポジションを上げて10位。加賀山は序盤9番手まで順位を上げたが、後半にペースを上げられず12位。今野は17番手を走っていたがトラブルが出てしまい、4周でレースを終えることとなった。

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ヨシムラスズキMOTULレーシング No.12 津田 拓也(JSB1000クラス 予選3番手・決勝2位)
「今回からタイヤをライバルと同じ仕様にしたのですが、結果的にマシンの比較など、収穫の多いレースウイークとなりました。これまで使っていたものと異なるので、マシンのセットアップなどに少し不安はありましたが、チームがうまくマシンの仕様を決めてくれたので、順調に仕上げることができました。全日本ではここまで、なかなか攻める領域までたどり着けていなかったのですが、鈴鹿8耐でマシンもだいぶ仕上がり、今年初めて全日本ではしっかりとレースができた、という印象です。バイクも乗りやすくなったし、コントロール幅もかなり広がりました。とは言え、まだまだやらなければいけないことは山積みなので、一つ一つ着実にこなし、ライバルとの差をさらに詰めたいと思います。」

ヨシムラスズキMOTULレーシング No.50 濱原 颯道(JSB1000クラス 予選13番手・決勝8位)
「前回のオートポリスでのマシンのフィーリングが良かったため、その仕様でもてぎに持ち込んだのですが、結果的にマッチングしていませんでした。金曜日の1本目はマシンのテストをしていて、午後は雨。その状態で予選に臨んでしまったので、予選が終わってからマシンの基本的な状態からして違っていることに気付いたような感じで、それがレースで大きく足を引っ張ってしまいました。決勝はとにかくスタートで前に出て、なんとかその位置でレースを戦おうと考えていたので、それはうまくできたと思います。とは言え、8位という結果はチームも自分も満足できるものではないし、次のオートポリスは自信のあるコースなので、巻き返したいと思います。」

ヨシムラスズキMOTULレーシング 加藤 陽平 監督
「鈴鹿8耐のテスト、決勝と戦い、その中でマシンもアップデートしましたし、後半戦でまた17インチタイヤに戻るということから、どこまで8耐の中で仕上がっているのか、不安と期待を持ってもてぎのレースウイークに入りました。結果的に、鈴鹿8耐でこれまで使い慣れてきた16.5インチを新型車両で使い、その後で17インチを使ったことからその特性もより明確になり、非常に収穫の多いレースウイークとなりました。まだライバルに対して差はありますが、そのギャップはこれまでよりも詰められたと感じています。さらにどのように詰めていくか、それが今後の課題になります。」

Team KAGAYAMA No.71 加賀山 就臣(JSB1000クラス 予選12番手・決勝12位)
「なかなかこのコースは相性的にうまくいかない状況が続いているので、苦しい戦いは覚悟していました。レースウイークを通じて、レース終盤までタイヤのライフを持たせながら高いアベレージを刻める車体作りをしたのですが、結果的にはそれがまとめられませんでした。良い流れで進められた今年の鈴鹿8耐だったので、その状態でもてぎに持ち込んだのですが、コースの特性が大きく異なることから、なかなかアジャストは難しかったです。次戦はそういうことがないよう、しっかりと準備し、セットアップしたいと思います。応援していただいているファンの皆さん、スポンサーの皆さんになかなか結果でお返しできていませんが頑張りますので、引き続き応援、宜しくお願いします。」

Team KAGAYAMA No.94 浦本 修充(JSB1000クラス 予選11番手・決勝10位)
「なかなか厳しいレースウイークでした。それでも予選では1分50秒台へタイムを入れることができ、その先も少し見えてきたのですが、レースでは1'51.421がベストで50秒台へ入れられませんでしたし、まだまだやることがたくさんある、という印象です。」

Team KAGAYAMA 斉藤 雅彦 監督
「チームとしてなかなかこのコースでは結果が出せていないので、そこを打開しようと鈴鹿8耐の良い流れをそのまま持ち込めるようにいろいろ手を尽くしたのですが、それができませんでした。現状では雨のレースになればまた違った展開になったかもしれませんが、ドライではかなり厳しかったです。」

MotoMapSUPPLY FutureAccess No.32 今野 由寛(JSB1000クラス 予選16番手・決勝DNF)
「鈴鹿8耐はそこそこ戦えたのですが、やはりスプリントになるとライバルのスピード感が違いますね。全日本の前半戦は参戦できなかったので、スプリントでのスピードというものはある程度覚悟していましたが、想像以上に厳しかったです。とは言え、マシンのセットアップも進んでいますし、トラブルが出なければもう少し順位は上げられたと思うので、そこは残念です。早いタイミングで新型車両も導入できると思うので、現状のマシンでできるところまでしっかり戦いながら準備していきたいと考えています。」

MotoMapSUPPLY FutureAccess 愛知 靖史 監督
「全日本は今回からが今年のスタートになったわけですが、マシン的には旧型車両を現状では使っているので、昨年のデータもあり、そこからスタートしました。できるだけ早いタイミングで新型車両を導入したいので、そこで使える足回りを作ることが現在のメインテーマとなっています。金曜日は雨の走行もでき、そこでは8番手に付けることができたので、収穫の多いレースウイークとなりました。」


Result
JSB1000クラス 決勝結果
順位ライダーチームTime/Gap
1野左根 航汰YAMAHA FACTORY RACING TEAM42'06.975
2津田 拓也ヨシムラスズキMOTULレーシング+9.411
3高橋 巧MuSASHi RT HARC-PRO. Honda+10.062
4高橋 裕紀MORIWAKI MOTUL RACING+27.305
5渡辺 一馬Kawasaki Team GREEN+31.423
6山口 辰也TOHO Racing+43.551
7清成 龍一MORIWAKI MOTUL RACING+49.491
8濱原 颯道ヨシムラスズキMOTULレーシング+57.879
9松﨑 克哉Kawasaki Team GREEN+57.879
10浦本 修充Team KAGAYAMA+58.541
12加賀山 就臣Team KAGAYAMA+1'04.632
20樋口 耕太H.L.O RACING+1Lap
DNF今野 由寛MotoMapSUPPLY FutureAccess+19Laps