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2017年6月25日
全日本ロードレース選手権 第5戦 九州モーターサイクルフェスタ2017 in オートポリス 場所:大分県・オートポリスサーキット
津田拓也、2位表彰台を獲得してポイントリーダーへ
本格的に梅雨前線が活動を始めたタイミングで開催となった今回の第5戦オートポリス大会。阿蘇の山間にあり、霧など不安定なコンディションに振り回されることの多いコースということもあり、その点がレース前から懸念されていたが実際に不安が的中。結果的にほとんどのスケジュールを日曜日のワンデーで行うことになってしまった。 金曜日は好天に恵まれ、ドライコンディションですべてのスケジュールを消化することができた。1回目の走行では津田が1'49.672で3番手、加賀山が1'50.398で5番手、濱原1'50.615で8番手、浦本1'50.615で9番手となった。特に濱原はオートポリスでの走行が8年ぶり、しかもそのときは小排気量マシンだったこともあり、事前テストからの積み重ねがうまく結果に出てきている証といえた。2回目の走行では津田が1'48.717でトップタイム。濱原が1'49.385と49秒台へ入れ5番手、加賀山1'50.398で9番手、浦本1'50.615で12番手となった。 翌土曜日は朝から霧が出てしまい、結果的にJSB1000クラスのみが雨の中で予選を行うことができ、他のクラスは日曜日朝にウォームアップ走行時間を予選に充てることとなった。しかもJSB1000クラスの予選は時間経過とともに雨脚が強くなり、早いタイミングにタイムを出したライダーが上位に付ける波乱の展開となった。そんな状況の中、浦本が5周目に2'03.970をマークし、このタイムでポールポジション獲得となった。さらに加賀山が2'05.553で3番手に付け、濱原が2'08.373で6番手、津田はタイムアップのタイミングがコンディションにうまく合わず、2'09.735で11番手となってしまった。 決勝日朝のウォームアップ走行は雨。このコンディションの中、津田は本来の速さを取り戻し2番手。加賀山3番手、浦本5番手、濱原7番手とそれぞれが上位に付けてきた。時間の経過とともに雨も止み、路面もドライに変わっていったが、午後になって厚い雲がサーキット上空を包み、雨を落とし始めた。JSB1000クラスのレースはスタートがディレイとなり、17周から2周減算で改めて開始されることになった。路面が濡れていてなかなか状況を読みにくい中、飛び出したのは加賀山。トップで1コーナーに飛び込み、浦本も3番手に付けた。しかし霧が出てしまい、5周したところで赤旗中断。残り12周で再スタートされることになった。赤旗時点で2番手に付けていた加賀山がセカンドグリッドからスタート。またしても好スタートを切って第2レースでもトップで1コーナーに入る。しかしスタート直後にトラブルで失速したマシンを交わそうとした津田が大きく出遅れ、1周目を12番手で通過となった。前車を交わしながら安定して1分50秒台でラップする津田は、3周目9番手、4周目8番手、5周目6番手と着実に順位を上げ、8周目には3番手に。さらに前車のリタイヤもあり、ラスト2周で2番手に浮上。そのままチェッカーとなった。濱原は3番手争いに終盤まで加わり、表彰台獲得が見えかけていたが、最終ラップでコースアウトし12位でゴール。雨の中で我慢の走りを続けた加賀山が5位、浦本6位となった。 またJ-GP2クラスはエスパルスドリームレーシングからGSX-R MFD6でエントリーしている生形秀之が雨の予選で4番手を獲得。決勝も4番手を走行し、さらに上位進出が期待されたが、マシントラブルでペースを落としてしまい、さらに後続車両に接触されてコースアウト。15位でゴールとなった。 ヨシムラスズキMOTULレーシング No.12 津田 拓也(JSB1000クラス 予選11番手・決勝2位) 「事前テストではいろんなことにトライしたのですがうまくまとめられず、苦労しました。ですがその苦労がレースウイークに入って金曜日のセットアップにうまく反映でき、トップタイムを出すことができました。ここまでマシンを仕上げてきているものが、徐々に形になってきている証だと思います。予選は雨ということで、状況を見ながらペースを上げていこうとしたのですが、コンディションがどんどん悪化してしまい、完全に自分のミスです。これは今後、反省点として活かさなければいけないと感じました。朝のウエットのウォームアップ走行では予選のデータをうまくまとめ、2番手に付けることができたので、ドライでもウエットでも自信はありました。決勝はスタート位置が悪く、なかなかペースが上げられない状況で赤旗になってしまいました。レース2はスタート直後にマシントラブルのマシンに引っかかってしまい、終わってしまったかと思いましたが、そこから前車を抜くことだけに集中した結果、2位まで上がることができました。ポイントリーダーに立ちましたが、さらにマシンをしっかり仕上げ、後半戦を優位に立てるよう引き続き努力していきたいと思います。」 ヨシムラスズキMOTULレーシング No.50 濱原 颯道(JSB1000クラス 予選6番手・決勝12位) 「まだ1000ccマシンでのレースの経験が足りない印象です。決勝は3位争いをしていて、第2ヘアピンの突っ込みで勝負に出てインに飛び込んだのですが、そこを押さえられてしまい、行き場をなくしてコースアウト、という形になりました。1000ccマシンだと、ブレーキングでの突っ込みを奥にするとクリップのラインが思った以上に奥になるので、そのあたりの読みが未だ足りない印象です。とは言え、あそこで勝負に出たことで、それがどうなるか経験出来たので、それは大きな収穫だと思います。雨での車体の課題なども見つかったので、このレースウイークは自分が成長できたと思います。」 ヨシムラスズキMOTULレーシング 加藤 陽平 監督 「事前テスト、レースウイークと一つ一つ積み上げをした、という流れでした。決勝はウエット、ドライと難しいコンディションで、チームとしてもマップの書き換えやタイヤ交換など、ミスが起きやすい状況ではあったのですが、しっかりとそれをやり切ったので、そういう点では良かったと感じています。決勝では津田選手が前車のトラブルに巻き込まれ、大きく順位を落としてしまったのですが、そこから挽回し、結果的にポイントリーダーにも立てたので良かったと思います。濱原選手はクレバーなライダーで、最初のスタート時点で彼だけウエットタイヤを選択していたのですが、スターティンググリッドで、『回りに左右されず、自分の考えたことをしっかりやってきなさい。それが今後の経験になるから』と伝えました。3位争いの中、ひょっとしたら表彰台に上れるかと思いましたが、まだまだ経験を積まないとそこは難しいですね。でも確実に成長してくれているので、今後が楽しみです。」 Team KAGAYAMA No.71 加賀山 就臣(JSB1000クラス 予選3番手・決勝5位) 「ウエットだったりハーフウエットだったりすると、チームとして抱えている問題がそれほど露呈しないので、それなりの位置に付けることができるのですが、安定したコンディションになってライバルが実力を発揮するようになると、まだなかなか厳しいですね。とは言え、雨の予選で浦本がポールポジションを獲ってくれたり、自分も3番手に付けたりと、置かれた状況の中でそこそこ仕事はできたと思います。さらにマシンをセットアップし、良い結果が出せるようにしたいと思います。スポンサーの皆さんに良い結果が報告できるよう、さらに努力します。」 Team KAGAYAMA No.94 浦本 修充(JSB1000クラス 予選1番手・決勝6位) 「前回のレースでウエットは良い手応えだったので、雨の予選はポールを狙っていました。実際にそれができたのは嬉しかったのですが、決勝朝の雨のウォームアップでは5番手となってしまい、そのあたりはまだ自分の課題だと感じています。最初のレースは路面コンディションが読みきれず、攻め切れませんでした。赤旗でピットに戻ってきて加賀山さんに活を入れられ、それで気が引き締まり、レース2では思い切り走ることができました。でもペース的にはまったく納得できるレベルではなく、悔いの残るレースとなってしまいました。」 Team KAGAYAMA 斉藤 雅彦 監督 「テストからずっと問題を抱えてしまい、ドライではそれが足を引っ張ってしまいました。ウエットでその問題は出ないので、ライダーの頑張りもありポールポジションと3番手に付けることができましたが、路面コンディションが良くなると難しくなってしまいます。今回はどうしようもなかったのですが、鈴鹿8耐テストでいろいろテストできる予定なので、そこでしっかり作業をこなし、さらにマシンを仕上げて8耐、全日本後半戦と臨んでいきたいと思います。」 エスパルスドリームレーシング No.4 生形 秀之(J-GP2クラス 予選4番手・決勝15位) 「レースウイーク中ずっとエンジンが今一つで、コンディションのせいなのかと思っていたのですが、結果的にはトラブルが出ていたんでしょうね。決勝で前を追いかけようとしたらぐずり始め、なんとか走り切ろうとしていたのですが、後ろから追突されてしまい、コースアウトしてしまいました。ああいう位置を走っていた自分の責任でもあります。結果は結果としっかり受け止め、こういう流れにならないようにしていきたいと思います。」
JSB1000クラス 決勝結果
J-GP2クラス 決勝結果
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