
![]() ![]() |
![]()
2017年5月14日
全日本ロードレース選手権 第3戦 SUGOスーパーバイク120マイル耐久レース 場所:宮城県・スポーツランドSUGO
濱原颯道、チーム入り後初のSUGOのレースで4位入賞
![]() 事前の天気予報では金曜日のみ雨とされていたが、結果的には特別スポーツ走行の行われた木曜日も少し雨が降り、さらに土曜日は激しい風雨と霧によってJ-GP3クラス以外の予選はすべてキャンセル。決勝日朝に時間を短縮して行うという非常にタイトなレースウイークとなってしまった。 木曜日1本目のウイーク走り出しでは、加賀山就臣が1'30.649で3番手に付け、好スタートを見せる。7番手に濱原が1'32.474、浦本は1'32.555で9番手、MotoGP参戦とテストをしてスペインから帰国したばかりの津田は1'35.390で17番手となった。午後のセッションでは1'29.425で加賀山2番手、津田が1'31.055で10番手、濱原1'31.877で11番手、浦本は1'32.447で15番手に付けた。 金曜日はドライとなり、1本目で加賀山が1'28.389で3番手、津田は1'28.975で7番手、濱原1'29.242で9番手、浦本1'29.667で12番手と続いた。午後の2本目では津田が1'27.590で2番手となり、濱原が1'28.477で6番手、加賀山1'28.649で8番手、浦本1'29.730で15番手となった。 土曜日に1時間の計時予選が予定されていたが、悪天候によってキャンセル。決勝日の朝8時55分から30分間の予選が行われることになった。日曜日も朝から雨。そんな状況の中、津田は1'38.019のタイムで3番手を獲得した。5番手に浦本が1'38.426で続き、加賀山が1'38.866で7番手、濱原1'39.349で8番手と、スズキ勢は上位に付け、決勝への期待が高まる。 雨が止むのではないかと予報が出ていたが、結局朝から降っている雨は止まず、ウエットコンディションの中でレースはスタートを切ることとなった。セミ耐久ということでル・マン式スタイルで決勝はスタートした。加賀山、津田ともに好スタートを見せ、津田2番手、加賀山3番手で2コーナーを立ち上がる。1周目を終えて津田3番手、加賀山4番手、浦本7番手、濱原8番手と続く。このウイークに好調を維持している加賀山が3周目の1コーナーで津田を抜こうと1コーナーのインに飛び込んだが、ラインがややタイトになりすぎたようで転倒。痛恨のリタイヤとなってしまう。また徐々にタイムを上げていくライバルに対し、津田のタイムがなかなか上がらない。このため、3周目4番手、4周目5番手と少しずつ順位を落としてしまう。濱原、浦本は順調にタイムを上げていき、11周目に浦本3番手、濱原5番手とポジションを上げていく。津田は16周目という早いタイミングにピットイン。作業を終えてすぐコースに戻ろうとしたが、3コーナーのコース上に転倒車両が残ってしまったことからペースカーが入り、タイミングを合わせるためにピットロード出口が一瞬閉鎖され、津田はこれに引っかかってしまい、大きくタイムロスすることになってしまった。 一方の濱原は安定したラップを刻み、単独で3番手を走行していたが、徐々に後ろから追い上げられてしまい、結局4位でフィニッシュ。浦本5位、終盤にトップを上回るペースで追い上げた津田は10位となった。 またJ-GP2クラスはエスパルスドリームレーシングからGSX-R MFD6でエントリーしている生形秀之が予選2番手で決勝をスタート。オープニングラップでトップに立つ走りを披露し、最後までトップ争いに加わって3位フィニッシュした。
ヨシムラスズキMOTULレーシング No.12 津田 拓也(JSB1000クラス 予選3番手・決勝10位) 「このウイークを通してバイクもタイヤに関しても問題なくセットアップを進めることができ、順調だったのですが、決勝はスタート直後からシールドが曇るというトラブルに見舞われてしまい、前が見えにくい状態で序盤を走らなければならなくなってしまいました。それでも早すぎるピットインは終盤に余分なピットインを強いられることになるため、ギリギリまで我慢してピットに戻ったのですが、そこでセーフティカーが入るという不運に見舞われ、トップから大きく離れた位置でレースをしなければいけない状況になってしまいました。残念の一言です。」 ヨシムラスズキMOTULレーシング No.50 濱原 颯道(JSB1000クラス 予選8番手・決勝4位) 「SUGOのコースをこのマシンで走るのはレースウイークの木曜日が初となりました。その木曜日は雨がパラパラと降ってきたりする不安定なコンディションで、初走行の自分としては様子を見ながらとなり、今一つ手応えを感じることが出来ない初日となりました。その状況は金曜日も同じで、ただSUGOのコースを1000ccのマシンで走るのは狭さを感じ、なかなか気持ち良く走るのは難しいな、という印象だけ残りました。土曜日の予選がキャンセルされ、日曜日朝の予選がフルウエット初走行となったのですが、タイムは39秒台が出て、自分としては未だ攻め込んだ状態ではないので、ちょっと出たタイムと自分の感覚の違いに戸惑いました。決勝では目の前で中須賀克行さんや山口辰也さん、加賀山さんが次々と転倒していたので、このレースはサバイバルレースになると考え、リスクは冒さないよう細心の注意を払って最後まで走りました。まだ自分の成長は感じられませんし、少し落ち着いてレースができるようになったかな、というのがこの2レースを終えての感想です。」 ヨシムラスズキMOTULレーシング 加藤 陽平 監督 「第2戦鈴鹿は本当に準備の時間が足りなくて慌ただしかったのですが、今回はそこから少し時間があったので、だいぶ落ち着いたレースウイークになりました。前回の鈴鹿での事前テスト、レースウイーク、そしてレース後の居残りテストと走行することができたのが大きかったですね。事後テストでタイヤもこのレースに向けて絞り込み、このレースウイークではタイヤを固定。その状態でマシンのセットアップを進めるという作業に集中出来る状況にすることができました。金曜日はトップに肉薄するタイムで津田選手が2番手に付けることができたのも、徐々にマシンを仕上げることが出来ている一つの証明だと思います。決勝はシールドが曇るという不運に見舞われ、さらにピットロード出口で止められてしまうハプニングもあって残念な結果になってしまいましたが、徐々にマシンも仕上げられてきており、ライバルに肩を並べられるところにまで来ているかな、というレースウイークでした。新人の濱原は難しいコンディションの中、冷静にレースを走り、良かったと思います。まだまだ成長段階ですので、表彰台や優勝などと一気にステップアップを期待せず、いいレースができたらまた次も同じレースを、という繰り返しが出来るようにサポートしていきたいと思います。」 Team KAGAYAMA No.71 加賀山 就臣(JSB1000クラス 予選7番手・決勝DNF) 「SUGOに入って、前回の鈴鹿よりもはるかに良い状態で走ることができました。木曜、金曜とスムーズにマシンのセットアップを進めることができ、フィーリングよく走ることができました。その良いフィーリングは決勝日朝のウエットコンディションでも変わらず、特にSUGOの雨は優勝経験もあって自分が自信を持っていることもあり、手応えを感じる予選となりました。決勝は少し抱えていた問題がうまくセットアップ出来、気持ち良く走れる状態でした。それが結果的に攻めすぎになってしまったようで、前車をパスしようと1コーナーのインに飛び込んだら行きすぎ、転んでしまいました。結果は残念ですし、応援してくれているスポンサーやファンの皆さんに申し訳ないことをしてしまったのですが、気持ち的にもバイク的にも久し振りに前向きな状態でレースを戦えたのは、とてもポジティブだと感じています。次のもてぎではこの悔しさを晴らす結果が出せるよう頑張ります。」 Team KAGAYAMA No.94 浦本 修充(JSB1000クラス 予選5番手・決勝5位) 「決勝日朝のウエットでの予選を走って、ドライよりはうまく走れることが分かりました。その部分で決勝は自信を持って臨むことができたのですが、中盤以降、マシン的に少し厳しい部分が出てしまい、走り方を変えたりしてなんとか対応しようとしたのですが、思うように出来ませんでした。自分が置かれた状況にうまくアジャスト出来なかったのが悔しいです。マシンは徐々に良くなってきている感覚がありますが、ドライではまだ難しいですね。バイクは新型になり、電子制御がすごく入っていて、今まで乗ってきたバイクとは異なるライディングが求められるので、その部分はさらに走行時間を重ねて学んでいきたいと思います。」 Team KAGAYAMA 斉藤 雅彦 監督 「前回の鈴鹿は本当に準備の時間がなく、とにかくなんとかレースをこなそうという状態でしたが、今回は準備も進み、Tカーも用意できるようになりました。そのためにバイクを2台使ってセットアップを進めることができたのも、このレースウイークに安定して上位に付けることができた大きな理由だと思います。このコースで17インチタイヤのテストはしていなかったのですが、大きな問題も出ず、未だ足りないところはあるのですが、だいぶ安定してマシンの性能を引き出せるようになってきた印象です。走行時間も少し増え、電子制御などのデータがチームとしても増え、使えるようになってきた部分が大きいのかもしれません。浦本はいい走りができていたのですが、レース終盤になって少しタイヤの消耗が起き、その部分で厳しくなってしまったようです。今までレインタイヤを使ってそうした状態になったことがないので、電子制御などの入ったマシンは今までと違ったタイヤの使い方になるのかもしれません。さらに走行時間を増やしていく中で、そのあたりの検証もしていきたいと思います。」 エスパルスドリームレーシング No.4 生形 秀之(J-GP2クラス 予選2番手・決勝3位) 「レース序盤トップに出て自分のペースで走ってみたのですが、決勝日朝の予選しかウエットで走っていない状態ではマシンのセットアップも厳しく、ライバルに対してアドバンテージを作ることは出来ませんでした。水野涼選手に抜かれた後も付いていったのですが、ちょっと隙のない走りで、最後にもう一度勝負しようと思ったのですが、関口太郎選手も来て、なかなか抜ける状況にまではもっていくことができませんでした。去年いろいろ起きたSUGOだったのでなんとしても優勝したかったのですが、シーズンは長いですし、今回は我慢します。」 ![]()
JSB1000クラス 決勝結果
J-GP2クラス 決勝結果
|