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2017年6月5日
リッキー・カーマイケル ユニバーシティ 藤沢スポーツランド(岩手県)
「大事なのは次の展開を常にフォーカスし続けること」
リッキー・カーマイケル氏のモトクロススクール『RCU IN TOHOKU with ATSUTA』を岩手県藤沢スポーツランドで開催 「再び来日の機会を与えてくれたスズキとFOXに感謝している。前回のスクールを受講した人も今回初めてのライダーも、安全に配慮しながら出来るだけ多くのことを学び取り、有意義な1日を過ごしてほしい。」というカーマイケル氏の挨拶で開校したスクールは、全日本モトクロス第3戦までの獲得ポイントにより選抜された計17名のライダーが参加。約30分間のウォームアップライドの後に、急な下り坂から右へターンし再び急坂を駆け上がる、通称ドラゴンストマックと呼ばれるセクションに移動して実技が開始された。 ここでギリギリまでアクセルを開けて進入し、ハードブレーキングでコーナースピードをコントロール、出来る限りイン側のラインをトレースしてコーナーを脱出し加速する反復練習を実施。ここで、参加ライダーたちのブレーキング技術に問題があると気付いたカーマイケル氏は、急遽スタートエリアに移動し、当初スケジュールにはなかったブレーキ練習を実施。再びドラゴンストマックに戻って、一人一人の操作技術をチェックした。 次のセッションは、右左複合コーナーの切り返しを習得すべく、1~2コーナーに移動。一連の基本動作やライン取りをレクチャーした後、自ら実際に走って手本を見せて、その後質問を受け付ける。そこから反復練習に入り、実走行が終わると再び質問の時間を設けて疑問に答えるのがカーマイケル氏の指導法だ。しかし、気付いたことがあればすぐさま臨機応変に対応してくれる細かな配慮もありがたい。 最初の指示を守って1本のラインに固執するライダーたちに対して、カーマイケル氏は再び自らマシンに跨がって、一つ目のコーナー途中で更にイン側にラインを変えるテクニックを披露した。「最初のコーナーに進入するとき、次のコーナーをどう走り抜けるかイメージしておくことが大事。そうすれば自ずとコース上にベストのラインが浮かび上がってくれはずだ。」というアドバイスは、参加者の心にも深く刻まれたに違いない。 最後のセッションはスタート。「レース結果の50%はスタートで決まる。」と重要性を解いたカーマイケル氏は、基本動作を具体的にレクチャーした後に自ら手本を見せ、次に参加ライダーを2組に分けて各ライダーのスタートをチェック。シート上の座位置、上体の姿勢と角度、脚の位置を事細かに見定め、問題点があるとすぐに呼び止めて各自に入念なアドバイスを行った。 コーナー練習でもそうだが、スクールの最中カーマイケル氏はコース上を頻繁に動きまわり、参加者それぞれのスキルを見極めながら、問題があればライダーたちに直接触れながら個別指導を行う。その的確な指摘やアドバイスはもちろんだが、スーパースターが文字通り手取り足取りで教えてくれる講義内容は、参加ライダーにとって至福とも言える時間となったはずだ。 ランチタイムを挟んで行われた「Class Room Q&A」質疑応答の時間では、「なんでも聞いていいよ。」とカーマイケル氏。シーズンオフのトレーニング方法やレースウィークの調整の仕方など貴重なアドバイスや、「繰り返し練習することで筋肉が動きを覚え、自然に身体が動くようになる」という反復練習の重要性。トップを追って迎えたレース終盤の攻め方、レースのマナーやアメリカの現役トップライダーたちの裏話まで、多岐にわたって盛り上がった。 スクールの終わりには、参加ライダーはもちろんチーム関係者全員にサインカードをプレゼントし、集合写真の撮影や2ショットの記念撮影にも笑顔で応えてくれたカーマイケル氏。Graduation Ceremony(受講認定式)の挨拶でカーマイケル氏は、サポートしてくれた熱田氏やスズキの関係者に感謝の言葉を延べると共に「日本に来るたびに他では得難い素晴らしい時間を過ごすことができる。今回参加してくれたライダーの健闘を期待すると共に、再びみなさんとお会いできることを願っている。」という言葉を残して会場を後にした。 全日本モトクロス選手権シリーズの次戦となる第5戦東北大会は、7月15~16日に今回RCUの会場となった藤沢スポーツランドで開催される。今回の受講生たちがそこでどんな走りを見せてくれるか、今からとても楽しみだ。 |