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2015年11月8日
MotoGP 第18戦(最終戦) バレンシアGP 場所:スペイン リカルド・トルモ サーキット
ポジティブなバレンシアでの今季最終戦を戦ったエスパルガロとビニャーレス
エスパルガロは4番グリッドからの好スタートを決め、トップグループに加わる5番手近辺を走行し、レース序盤をハイペースでラップする。しかしリアタイヤのグリップが低下するとともに、有効なトラクションとコーナリングスピードをキープすることができなくなってしまった。このため、好位置からのスタートを維持することができなくなり、後続車にパスされてしまう。それでもペースを維持しようとエスパルガロはプッシュを続け、8位でゴールとなった。 ビニャーレスの決勝もポジティブなものとなった。スタートダッシュを見せたのだが、直後の2コーナーでラインを外してしまい、何台かのマシンにここで抜かれてしまう。このために彼の今回の決勝での戦略は、目の前を走るマシンを抜くことになり、速いペースを刻みながら、今シーズン何度も見せてきた力強い走りを展開し、目の前に現れるマシンを1台ずつパスしていく。レースの戦いの中で成長を見せ、より速い走りを身に付けてみせるビニャーレスの才能が今回の決勝でも発揮され、コースのあちこちでパッシングシーンを披露。レース中盤には4位から7位争いを展開するトップライダーたちと同じペースで走行した。 今季最終戦で二人のライダーは、とてもエモーショナルな戦いを見せた。エスパルガロは3レース、ビニャーレスは2回のノーポイントレースがあったものの、今季の多くのレースでポイント獲得圏内を走り、しばしばトップ10内に入る好走を見せた。本格復帰1年目でのこのアプローチは、非常にポジティブなことと言える。 既にチームスズキエクスターは来年へ向けて動きだし、今週の火曜、水曜とバレンシアで行われるIRTAテストの準備に入っている。 アレイシ・エスパルガロ 予選4番手/決勝8位 「リアタイヤにトラブルが出てしまい、そのことはとても残念でした。そのために、レース終盤の展開は厳しいものとなってしまいました。今後、こうしたことが起きないようにペース配分考える必要があると痛感させられました。良いスタートを切り、4位争いを展開しました。何度もパッシングシーンを演じることができました。しかしライバルはストレートで私をパスし、さらにそれを抜き返すことは難しかったです。レース中盤に入り、タイヤのパフォーマンスが落ちてきて、6位争いの中に加わり続けることが難しくなり、8位でフィニッシュとなりました。私たちはこれから、マシン開発期間となるウインターシーズンを迎えます。我々は復帰1年目のシーズンを終えたばかりで、さらなる開発を必要としているからです。我々はさらに多くの進化を遂げ、トップ10に入り続けなければなりません。ポジティブなことは、既に今年1年の経験を我々は持っているということです。すべてのサーキットに関するデータを既に持っているので、それは来年、大きな助けとなります。」 マーベリック・ビニャーレス 予選11番手/決勝11位 「私は少し残念な気持ちになっています。なぜならば、私は良いスタートを切りながら、2コーナーで誰かが私を押しだし、ラインを外してしまったからです。そのために大きく順位を落としてしまいました。その後、自分のペースを取り戻したとき、5位から7位あたりを争うライダーと同じペースを刻むことができました。最終的にはポイントを獲得でき、ポジティブな位置でゴールすることができました。私はたくさんのことをまだまだ学ぶ必要がありますが、今後はより良い状況になるであろうと感じています。今年は2回ほどクラッシュしてしまいましたが、とてもポジティブなシーズンでした。トップ10圏内でゴールすることもできたし、来年がとても楽しみです。自分たちの問題点ももう分かっているし、今年戦ってきた多くの情報があります。今はもう、来年へ焦点を合わせ、準備していく必要があります。」 寺田覚 チームディレクター 「最終戦を迎えましたが、我々はその戦いの中で、進化を遂げてきました。今日のレースはとてもポジティブな内容でした。アレイシは好スタートを切り、非常に速いペースでレース序盤トップライダーとともに5位付近を走行しました。その後、リアタイヤのパフォーマンスが落ちたことから、8位でゴールとなりました。マーベリックは逆に、レース序盤において順位を下げてしまったことから追い上げの決勝となり、走りのパフォーマンスとラップタイムを上げながら、非常に速いペースを刻みました。彼のリザルトはポイント獲得圏内に入り、彼の成長を証明するものとなりました。今日のレースは今季最終戦ですが、我々は今後に向けた多くの事を学ぶことができました。今季の11位と12位というシリーズランキングは、期待に十分応えられたものではありませんが、マシン開発、レース経験にとってとてもポジティブなシーズンとすることができました。二人のライダーは、チームに多くの情報とフィードバックを与えてくれ、マシンのパフォーマンスを活かすためのライディングスタイルの進化も果たすこともできました。しかし我々はさらにハードワークする必要があり、ライダーたちからさらなる進化のための技術面における方向性を見出しています。もちろん、来季はサーキットでより良いグリップが得られ、さらに速さを身に付ける必要があります。なぜならば、今季は復帰1年目ということで多くのサーキットでのデータがない状態で戦わなければならなかったのですが、来年は今年のデータを基に、マシンをセットアップしていくことができるからです。今はもう来季を見据えなければなりません。我々は今週の火曜、水曜と、来年に向けた新しいタイヤ、新しい電子制御のテストを予定しています。タイトですが、明確なテストプログラムを用意しており、多くの進化をさらに遂げることができると考えています。」
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