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2015年7月12日
MotoGP 第9戦 ドイツGP 場所:ドイツ ザクセンリンク
エスパルガロ、ビニャーレスが接近戦 0.02秒差のトップ10バトル
決勝レースはチームスズキエクスターの2人を含め多くのライダーによる豪快なバトルが展開し、観客にとっては最高のショータイムであった。金曜日からの3日間、2台のGSX-RRはエンジニアとメカニックによって懸命のセットアップが施されたが、終始ハードなレースウィークとなった。 スタートではエスパルガロ、ビニャーレス共にスタートグリッドのポジション(エスパルガロ7番グリッド、ビニャーレス12番グリッド)をキープすることが難しく、順位を後退しながら第1コーナーへ進入する形となり、追い上げのレースを強いられた。その後、速やかに順位を上げたエスパルガロに対し、ビニャーレスはレースペースをつかむのに少し苦戦。中盤からは2人のトップ10バトルとなり、2台の差が徐々に縮まってゆき終盤はエスパルガロのすぐ後方にビニャーレスが迫った。ラスト2周からフィニッシュ手前の最終コーナーまで激しい接近戦が続き、そして最後はエスパルガロ10位、ビニャーレス11位でチェッカーを受けた。 今回のレースで得られた重要なデータをもとに、スズキエンジニアは次戦に向けたセットアップ内容を検討、チームは今週の水曜と木曜にイタリア・ミサノでプライベートテストをおこない、次戦に備える。 アレイシ・エスパルガロ 「レースウィークの3日の間に適切なセットアップを見つけることができなかったことを申し訳なく思います。スローコーナーでのフロントに違和感があり、解決方法がわからないままでした。最後に決勝でトップ10フィニッシュができたことは嬉しいです。多くのリスクを冒して、ランキングのことや何よりも開発プロセスについて考えなくてはならないので、ポイントを取るのは大切なことです。このあとミサノでは、どのような改善を行うべきか、いくつかのアイデアがあるので、チーフメカニックのトムと一緒に出来る限りのテストをしたいです。次のインディアナポリスは容易なコースではなく、シーズンも後半に入るので、ここでさらに大きく前進する必要があります。」 マーベリック・ビニャーレス 「終盤のアレイシとのバトルがとても楽しかったです。レースについてもマシンについても経験豊富なアレイシは私のお手本でもあるため、彼のすぐ後ろで接近戦ができたことは誇りに思います。できることなら彼の前に出たかったし、さらにトップグループでのバトルがしたかったです。マシンについては、リアのフィーリングが合わず、スピンによる加速不足をレースウィークの間ずっと抱えていました。ザクセンリンクのようにコーナーがタイトなサーキットではスローコーナーが多いので、この問題は絶対に改善する必要がありますが、メカニック達が必ず解決してくれると信じているので、今週のテストが楽しみです。夏休み明けには、さらに強いチームになっているでしょう。」 寺田 覚チームディレクター 「厳しいレースウィークでした。ライダーが快適に走れるようなマシンセットアップを目指しましたが、満足のいく週末とするには、最後の詰めを行うに至りませんでした。エスパルガロは特にスローコーナーでのフロントのフィーリングに納得がいかず、ビニャーレスのほうは加速時のリアグリップに課題がありました。このサーキットとマシンは相性が良いのではという予想もあったのですが、それどころかこれまでで最も苦戦を強いられたレースウィークのひとつになってしまいました。加速性能が我々の弱点の一つであることは勿論把握しており、その解決策を見つけるべく取り組んでいますが、シームレスギアボックスはそのための最も効果的な手段のひとつとして、早期の導入を目指しています。これはラップタイムのパフォーマンス改善だけでなく、ライダーの自信にも繋がるでしょう。今週のミサノでのテストは、より効果的なセットアップの改善がメインですが、シャーシに関して新たな試みもあり、重要なテストとなります。コース特性も今回と似ているので、ここで得た経験をテストにも生かせるでしょう。」
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