スズキのクレメン・デサールがベルギーチームの9年ぶりの優勝に貢献!
スイス代表のジェレミー・シーワーはリッキー・カーマイケル賞受賞!
第67回モトクロス・オブ・ネイションズが、ドイツの都市ハレの近くの街トイッツェンタールのタルケッセルサーキットを舞台に開催された。好天に恵まれたレースウィークの会場とその周辺は実に8万5000人のモトクロスファンで賑わい、大観衆に囲まれたコース路面は荒れてレースは過酷を極めたが、参加40ヶ国中、感動的な勝利で栄光に輝いたのはベルギーチームだった。
今シーズンMX1ランキング2位となったロックスターエナジースズキのエース、クレメン・デサールはベルギー代表として出場、スズキファクトリーマシンRM-Z450WSを駆りレース2(MX2+オープン)では3位を獲得して、2004年以来となるベルギーチームの優勝に貢献した。しかしながらレース3(MX1+オープン)ではスタート直後の第1コーナーで転倒。左肩を負傷し、表彰式のポディウムには姿を見せたものの、その後は速やかに病院へ向かったため夜のパーティに出席することはならなかった。デサールは前日のオープンクラス予選からトップで好調をアピール、決勝日のレース2は1ラップ目に10番手ながら、バンク角のあるハイスピードターンや長いわだちなどのテクニカルセクションを攻略しながら着実に順位を上げて最後は3位フィニッシュした。レース3でもトップバトルが期待されただけに、負傷リタイアは残念なニュース。
レース後のパーティ会場ではまた、スイス代表で出場したロックスター エナジースズキ ヨーロッパのジェレミー・シーワーがこの日、喜びのシャンパンファイトを披露した。シーワーは今シーズンEMX250ヨーロッパ選手権ランキング2位。19歳の若さながら今回のネイションズでは世界のトップランカーを相手にRM-Z250WSでレース1(MX1+MX2)17位、レース2(MX2+オープン)24位となりスイスチームの9位獲得に貢献し、さらに今大会で最も活躍が目立った若いライダ-に贈られるリッキー・カーマイケル賞を受賞した。
日本代表の小島庸平選手もスズキファクトリーマシンRM-Z450WSで健闘したが、日曜の朝におこなわれたBファイナルで日本チームは惜しくも敗れ、決勝進出はならなかった。
このあとロックスターエナジースズキはつかの間の休暇を取った後、2014シーズンに向けてRM-Z450WSのセットアップを始め各テストをおこなっていく。デサールの怪我の状態と復帰時期についても近いうちに明らかになる模様。2014年のモトクロス・オブ・ネイションズは、ラトビア・ケグムでの開催が決定している。
順位 | ライダー | メーカー | 国名 |
---|---|---|---|
1 | A・カイローリ | KTM | イタリア |
2 | T・サール | カワサキ | ドイツ |
3 | K・デダイカー | KTM | ベルギー |
4 | G・ポーリン | カワサキ | フランス |
5 | R・ダンジェリー | KTM | アメリカ |
6 | M・ナグル | ホンダ | ドイツ |
順位 | ライダー | メーカー | 国名 |
---|---|---|---|
1 | K・ロクセン | KTM | ドイツ |
2 | D・フェリース | ヤマハ | オーストラリア |
3 | K・デダイカー | カワサキ | ベルギー |
4 | J・バンホービーク | ホンダ | アメリカ |
5 | E・トマック | カワサキ | イタリア |
11 | ジェレミー・シーワー | スズキ | スイス |
順位 | ライダー | メーカー | 国名 |
---|---|---|---|
1 | J・ハルシア | ホンダ | アメリカ |
2 | T・レオク | TM | エストニア |
3 | D・フィリッパーツ | ホンダ | イタリア |
4 | S・シンプソン | ヤマハ | イギリス |
5 | T・ウォーターズ | KTM | オーストラリア |
9 | クレメン・デサール | スズキ | ベルギー |
順位 | 国名 | ポイント |
---|---|---|
1 | ベルギー | 27 |
2 | アメリカ | 30 |
3 | イタリア | 33 |
4 | オーストラリア | 40 |
9 | スイス | 87 |
24 | 日本 | ー |
「レース3では肩の具合が心配だったのでリタイアしたことは申し訳なかったが、ベルギーが優勝できて本当に嬉しい。治療には数週間かかるかもしれない。レース2は自分のミスで順位を落としたが、自信を持って攻めの走りができたので内容的には納得のいくレースだった。そしてシーズン最後のレースがDNFになったのは残念だったが、ベルギーの優勝を祝ってから病院へ行けたので良かった。チームベルギーのスタッフもライダーも全員で本当によく頑張った。心から感謝したい。」
「今日は最高に嬉しい。レース1では最初は34番手だったが、どんどん追い上げて15番手か16番手になった。J・バ-トン(スペイン)とJ・ニコルズ(イギリス)の前に出て、A・ルピーノ(イタリア)を追いかける状況になった。ラストコーナーでE・トマック(アメリカ)にパスされたが、レース1は自分にもチームにも納得できる結果だった。次のレース2はスタートから出遅れてしまいほとんど最後尾で、トップ20になるべく再び追い上げを余儀なくされた。結構ラップタイムも出て、MX2ライダーの中ではトップタイムも出た。スイスチームの9位獲得はよく頑張ったと思うし、自分自身の全体にスピードに乗れて、リッキー・カーマイケル賞を貰うこともできて本当に嬉しい。最高の状態でシーズンを終えることができた。」