デサールが地元ベルギーで総合優勝!
8月17日~18日、ベルギーのバストーニュで開催された2013FIMモトクロス世界選権シリーズ第15戦、ロックスターエナジースズキでファクトリーマシンRM-Z450WSを駆るクレメン・デサールが、第1レース2位、第2レース1位を獲得して総合優勝。前回のチェコGPに続く連勝で、地元ベルギー1万9000人のファンを魅了した。
会場となったサンスーシのコースはWGP開催2回目、屈指のスピードコースとして知られる。路面は荒れてコーナーにはテクニカルなわだちが出来たが、土質が良質なドライのため全体的にハイスピード勝負となる。会場のフェンス越しに応援していたファンは、やがてインフィールドにまであふれ、大迫力のレースを目前で堪能した。デサールの総合優勝は今シーズン3回目、ポディウム登壇はすでに12回を数えた。
シリーズも終盤を迎え、デサールとA・カイローリ(KTM)の一騎打ちとなることは前日の予選レースから明らかだった。決勝第1レースではオープニングラップからトップに出たカイローリがそのままリード。ラスト2周で挽回を狙うデサールが、ラストラップでダブルジャンプ後のタイトコーナーへのアプローチで仕掛けるがわずかにスリップオフし、第1レースはカイローリが制した。続く決勝第2レース、デサールがレース初盤から勝負に出た。第2コーナーでカイローリを捕らえると鮮やかにパス、前回のチェコGPと同様の圧倒的なペースでトップをキープした。会場はデサールの地元ベルギーのファンの大声援に包まれ、カイローリの反撃はないままデサールは1位フィニッシュ、総合優勝を決めた。
ロックスターエナジースズキで同じくベルギー出身のケビン・ストライボスもまた、ファンの期待に応える活躍を見せた。安定した走りをしながらも土曜の予選は9位、しかし決勝日は本来の実力を発揮して好スタートを決めていった。第1レースは中盤で4番手まで浮上したものの最後は7位フィニッシュ、第2レースは粘って4位を獲得し、この日の総合でも4位となった。
ポイントスタンディングではデサールは現在2位。3位のK・デダイカー(KTM)に58ポイント差をつけており、残る2戦でさらに最大100ポイント獲得のチャンスを残している。ストライボスは現在5位、4位のG・ポーリン(カワサキ)には16ポイント差に迫っている。
ロックスターエナジースズキはこのあと、次週第16戦の開催地であるイギリス・ウィンチェスターへ向けて準備に入る。
順位 | ライダー | メーカー | Time/gap |
---|---|---|---|
1 | A・カイローリ |
KTM |
39'13.105 |
2 | クレメン・デサール |
スズキ |
0'03.060 |
3 | G・ポーリン |
カワサキ |
0'28.705 |
4 | E・ボブリシェフ |
ホンダ |
0'31.436 |
5 | J・バンホービーク |
カワサキ |
0'32.371 |
7 | ケビン・ストライボス |
スズキ |
0'40.286 |
順位 | ライダー | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 |
クレメン・デサール |
スズキ |
47 |
2 |
A・カイローリ |
KTM |
47 |
3 |
E・ボブリシェフ |
ホンダ |
38 |
4 |
ケビン・ストライボス |
スズキ |
32 |
5 |
J・バンホービーク |
カワサキ |
32 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 |
KTM |
705 |
2 |
スズキ |
628 |
3 |
カワサキ |
583 |
4 |
ホンダ |
466 |
5 |
ヤマハ |
296 |
6 |
TM |
218 |
順位 | ライダー | メーカー | Time/gap |
---|---|---|---|
1 | クレメン・デサール |
スズキ |
39'22.241 |
2 | A・カイローリ |
KTM |
0'22.296 |
3 | E・ボブリシェフ |
ホンダ |
0'24.930 |
4 | ケビン・ストライボス |
スズキ |
0'27.905 |
5 | J・バンホービーク |
カワサキ |
0'28.518 |
6 | T・サール |
カワサキ |
0'29.982 |
順位 | ライダー | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1 |
A・カイローリ |
KTM |
690 |
2 |
クレメン・デサール |
スズキ |
600 |
3 |
K・デダイカー |
KTM |
542 |
4 |
G・ポーリン |
カワサキ |
485 |
5 |
ケビン・ストライボス |
スズキ |
469 |
「地元で勝つことができて最高の気分だ。ベルギーのファンの前でGP初優勝なので余計に嬉しい。プレッシャーもかなりあったが、レースを思いきり楽しんで、勝つことができた。第1レースから、何とかしてアントニオ(カイローリ)の前に出ようと頑張ったがそのチャンスがなく、ラスト1周でそれまでとライン取りを変えて仕掛けていったが思うようにいかず、2位フィニッシュだったが、第2レースは絶対に勝つと自分に言い聞かせた。第2レースはすぐにトップに立てたので、最後までこのペースで行こうと頑張った。終盤で大きくリードしていたので、このまま行けば総合優勝だと確信した。残りあと2戦に向けて大きな自信になったので、さらに優勝を目指して頑張りたい。」
「第1レースは不満の残るレースだったが、第2レースは満足できる内容だった。調子は昨日から良く、今朝のウォームアップ走行もいい感じで走れていた。第1レースはスタートが上手くいったが、その後の走りが今ひとつのまま、前にいたデダイカーが遅れ、ボブリシェフが転倒したことで6番手から4番手まで上がったが、ポーリンに追いつこうとしてコーナーでミスがあり、スリッピーな路面でタイムロスして、第1レースは悔しい結果になった。第2レースでもスタートは良かったのだが、第1コーナーでアウトにはじき出される形になって6番手から7番手になり、そこから頑張って何台かパスして、最後にバンホービークをかわして前に出たのは嬉しかった。第1レースからなぜこういうレース運びができなかったのか解らないが、第2レースの結果が幸いして総合4位。地元ファンの前でポディウムに上がれなかったのは残念だが、デサールの優勝を祝う記念すべき日になった。次のイギリスGPも頑張りたい。」