4月26~27日、FIM世界耐久選手権シリーズの開幕戦となる『第78回ボルドール24時間耐久レース』がフランスのマニ・クールを舞台に開催された。スズキはスーパーストッククラスで出場のジュニアチーム LMSスズキがクラス優勝を果たすと共に総合でも3位に入る大健闘で、栄光のポディウムに登壇した。
スズキGSX-R1000を駆るジュニアチームLMSスズキのライダーは、バプティスト・ギテット、エトニー・マッソン、グレッグ・バラックの3名。レース序盤に転倒があったもののその後は見事な追い上げを見せ、24時間で732ラップをマークした。一方、ディフェンディングチャンピオンのSERT(スズキ・エンデュランス・レーシング・チーム)は、レース11時間経過時点までトップをキープしたが、ライダー ヴァンサン・フィリップの激しいクラッシュによって戦線離脱を余儀なくされた。
ゴール後、マッソンが語った。「もちろんスーパーストッククラスでの制覇は目標にしていましたが、このままチェッカーを受ければ総合成績でも3位のポディウムと解って、最後まで冷静に頑張りました。ダミアン・ソルニエ監督が一番はらはらしていたのではないでしょうか。レースで最も難しかったのはタイヤのチョイスです。私たちはEWCクラスのチームのようにスピーディなタイヤチェンジができないので、今回のタイヤ交換でLMSの学生メカニッククルーが実にファンタスティックな仕事をしてくれたことに大変感謝しています。
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ジュニアチームLMSスズキは、レース前日の予選を3位のSERTに続いて4位で通過、決勝レースでもまた初盤からトップに出たSERTのヴァンサン・フィリップの後方から順調な走り出しを見せた。その後、雨に濡れた路面でハイサイドを喫して順位を後退したものの、ピットでマシンの修理を施し再スタート、猛然と追い上げながら順位を挽回、やがてトップグループに返り咲いた。後半にレースをリードしていたHonda Racing(ホンダ)がクラッシュとマシントラブルによってリタイアする中、ジュニアチームLMSスズキは、EWCクラスのBolliger(カワサキ)の731ラップを1ラップ上回る732ラップで総合3位、スーパーストッククラス優勝を獲得した。
SERTはレースのほぼ折り返し点まで、2位に3周のリードを保ちながら首位を走っていたが、ニゴンが雨の為滑り易くなった白線に乗りクラッシュ、マシンの修復の為に7周遅れの4位に転落した。その後、順位を挽回すべくヴァンサン・フィリップがペースアップを図っていたが、不幸なことにパンクのトラブルに見舞われ更に周回数の遅れを取ってしまった。SERTの不幸はこれに留まらず、ヴァンサン・フィリップがライディング中に、シフトミスによりクラッシュ、彼は足首を3か所も骨折するダメージを負った。8回の世界耐久チャンピオンのタイトルを持つヴァンサンも、さすがにこのダメージには耐えきれず、リタイヤを決める事となった。
クラッシュに見舞われたSERTとMonster YART(ヤマハ)の一方で、SRC Kawasaki(カワサキ)が、2位のYamaha Racing GMT 94に5ラップ差をつける743ラップで開幕レースを制した。
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