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2014年9月28日 モトクロス オブ ネイションズ
ラトビア
熱田孝高、奮闘を見せるも不運に阻まれ日本代表チームの予選突破はならず。
ケビン・ストライボスがアグレッシブな走りでベルギーチームを2位表彰台へと導く

 国別対抗戦モトクロス・オブ・ネイションズが、9月27~28日にラトビアのケグムスで開催された。個人戦ではなく、各国3名のライダーがMXGP、MX2、Openの3クラスに別れ、2クラス混走の3レースで順位を決める団体戦。今回で第68回目を迎えた名誉と伝統のある一戦には、世界各地から大勢の観客が詰めかけた。この大会に日本代表メンバーとしてチームスズキの熱田孝高が参戦。日本は過去2年予選落ちを喫しており、今回のチームは、実力、海外での経験豊富なライダーが選ばれ、MXGPの成田 亮(ホンダ)、MX2の勝谷武史(カワサキ)と共に先行された熱田は、Openクラスを担当することになった。会場のケグムスは、ほぼキャラメルサンドと言われる黄褐色の砂の路面が特徴で、コースはほぼフラット。そこに大小のジャンプとコーナーが配される。レースの進行に伴い、サンド路面には幾本もの深いレールが刻まれた。

 土曜日に行われた予選。グリッド順は主催者の抽選で決められるが、日本は出場34ヶ国中33番目。180度ターンの1コーナーのレイアウトはイン側が圧倒的に有利で、日本チームは予選からいきなりのハンデを背負うことになる。3クラスの内ワーストを除外した上位2つのリザルトで予選の順位が争われるが、予選1組目のMXGPクラスを担当した成田のマシンが、開始直後にエンジントラブルでコース上にストップ。成田はDNFとなってしまう。これでプレッシャがかかった続くMX2クラスの勝谷は、スタートで出遅れオープニングラップを22番手でクリア。混戦の中で順位挽回を図った勝谷は2周目に転倒。そこから懸命に追い上げ22位でフィニッシュする。続くOpenクラス、予選通過を託された熱田は、アウト側からスタートを決めるのは無理と判断し、ゲートが倒れた直後、一瞬待ってストレートを斜めに横切り1コーナーのインに切り返す作戦を実行。一気に10位近くまでジャンプアップしかけた1コーナーの進入で熱田の前で2台が転倒。進路を塞がれた熱田は最後尾となってしまう。上位に進出する以外予選通過は難しいと判断し最後尾から激しい追い上げを見せた熱田だったが、2周目に転倒を喫してしまい結果は21番手。日本チームは26位で1位のみ本戦出場が許される敗者復活戦B-Finalに一縷の望みを託すことになった。

 

 日曜日の午前中に行われたB-Final。日本代表チームは総力を上げて決勝進出を目指したが、スタートで熱田が他車と接触し転倒。最後尾から懸命の追い上げを見せた熱田は14番手まで順位を上げるもそこでチェッカー。日本チームは成田が6位、勝谷が13位でB-Final3位となり、決勝進出を果たすことは出来なかった。

 MXGPクラスとMX2クラス、MX2クラスとOpenクラス、MXGPクラスとOpenクラスの混走3レースで行われた決勝。スズキ勢では母国ベルギーのOpenクラスを担当したロックスターエナジースズキのケビン・ストライボスが、第2レースで好スタートを決めると3周目にフランス代表のS.フロッサード(カワサキ)をパスし独走でトップフィニッシュ。最終第3レースでは2周目に転倒してほぼ最後尾まで順位を落とすも、そこから猛烈な追い上げを見せ9位でフィニッシュし、ベルギーを総合2位表彰台へと導いた。またスイス代表でMX2クラスを担当したジェレミー・シーワーは第1レースが19位、第2レースが17位で国別7位。オランダ代表で同じくMX2クラスを担当したグレン・コルデノフは、450のマシンを相手に第1レースで7位、第2レース8位に食い込む健闘を見せ、オランダを10位に導いた。

 
 
 
   

 

熱田 孝高

Openクラス予選21位 B-Final14位


「現状、世界のトップライダーとは差があるし他の代表ライダーたちもほとんどが同レベルで、とにかくスタートで前に出てじりじりと粘るのが唯一の戦法だと考えていたが、予選ではインを狙って切り返したが、目の前で転倒があり出遅れてしまった。その時点で上位まで追い上げることが難しいのは分かっていたが、なんとかしなければと全力でアタックして転倒してしまった。B-Finalはスタートはまずまず良かったが、インのライダーが突っ込んできて、アウトに寄せられた際に隣のライダーと接触し転倒してしまった。非常に残念だが、何度も代表としてこのレースに参戦して、自分自身予選通過を果たせなかったのは初めて。外からしっかりとレースを見せ、世界の実力と現状を日本の関係者や後輩ライダーに伝えたいと思う。」
 

順位

ライダー

メーカー

Time/gap

1位

G・ポーリン

カワサキ

35:13.245

2位

R・ダンジー

KTM

+ 03.732

3位

M・ナグル

ホンダ

+ 04.814

4位

J・ファン・フォルベーク

ヤマハ

+ 13.464

5位

A・トンコフ

Husqvarna

+ 15.220

7位

グレン・コールデンホフ

スズキ

+36.143

 

順位

ライダー

メーカー

Time/gap

1位

ケビン・ストライボス

スズキ

35:28.584

2位

S・フロサード

カワサキ

+03.329

3位

D・ウィルソン

カワサキ

+21.875

4位

T・サール

カワサキ

+23.377

5位

F・ノーレン

ホンダ

+25.580

8位

グレン・コールデンホフ

スズキ

+27.713

     
 

順位

ライダー

メーカー

Time/gap

1位

G・ポーリン

カワサキ

34:03.950

2位

J・ファン・フォルベーク

ヤマハ

+02.146

3位

E・トマック

ホンダ

+04.436

4位

S・フロサード

カワサキ

+21.369

5位

D・ウィルソン

カワサキ

+24.872

9位

ケビン・ストライボス

スズキ

+31.589

 

順位

国名

ポイント

1位

フランス

17

2位

ベルギー

27

3位

アメリカ

33

4位

イギリス

33

5位

ドイツ

72

22位

日本