スペイン タラベラ・デ・ラ・レイナのセロネグロサーキットで開催された2014FIMモトクロス世界選手権シリーズ第7戦、ロックスターエナジースズキでワークスマシンRM-Z450を駆るクレメン・デサールが第1、第2レースでダブルウィンを達成した。デサールの完全優勝は今シーズン初、総合優勝は今シーズン2度目。これにより、デサールはポイントランキングで再び2位を奪回、現在ランキングトップのA・カイローリ(KTM)に24ポイント差と迫った。
スペインでのGP開催は3年ぶりということもあり、およそ1万6000人のファンがトップライダー達の白熱のバトルを見ようと会場に詰め掛けた。デサールのチームメイトであるケビン・ストライボスも第1レース4位、第2レース3位と健闘して総合3位を獲得、デサールとストライボス2人揃ってのシャンパンファイトを披露して、スズキの強さと速さをアピールした。
タラベラのコースは低い丘の斜面に整備されて、ターンからの登り、下りからのターンそして再び登りを繰り返すというヘビのように曲がりくねったレイアウトが特徴。コース幅も全体に狭いため、ライダー達は接近戦を余儀なくされると同時にパスのポイントも少ない。ターン部分には多くのわだちができ、そのわだちに沿って硬い路面とソフトな路面がミックスしていて、屈指の難コースとまではいかないまでも、実際はテクニカルセクションも多い。さらに決勝日は気温30℃を越えて、ライダーには非常にタフな状況となった。
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さらにデサールは前日から胃の不調を訴えており、体調不良を押しての決勝レースとなったが、結果はデサール本人さえも驚くほどの完全勝利だった。この日のデサールは2レースとも、鮮やかなスタートから最初の3ターンでトップを奪い、そのままフィニッシュまでトップで駆け抜けるという完璧なレース運びを展開した。キレのある走りで楽勝といった雰囲気で第1レースを制し、続く第2レースでは後方からカイローリの追撃を受ける形となるも、デサールは最後までラップタイムをキープしながらカイローリを押さえ、昨シーズンのチェコ大会以来となるパーフェクトウィンを遂げた。
デサールの順調な勝利の一方で、ケビン・ストライボスの方は少々苦戦もありながらの活躍だった。第1レースは、ラスト2ラップからカイローリとE・ボブリシェフ(ホンダ)をかわして堂々の4位フィニッシュを果たし、第2レースでは2位のカイローリに続く3位で総合3位、今シーズン3度目となるポディウム登壇を果たした。ポイントランキングでも4位につけて健闘している。
ロックスターエナジースズキは本拠地ロンメルへと戻り、1週間あけて再来週末に開催のWMX第8戦に備える。第8戦はイギリスのマタレーベイシンで、5月25日に決勝がおこなわれる。
また、WMXは8月のウクライナ大会がキャンセルとなったため、シリーズ全18戦から17戦の開催に変更される予定との発表がFIMから公示された。
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