イタリアのトレンティーノで開催された2014FIMモトクロス世界選手権シリーズ第4戦、ロックスターエナジースズキでRM-Z450ワークスマシンを駆るクレメン・デサールが、第1レース2位、第2レース1位を獲得、今シーズン待望の総合優勝に輝いた。詰め掛けた2万5000人のファンの前で圧倒的な強さを発揮したデサールは、昨年のイギリスGP以来となるポディウムの中央に上がり、さらにチームメイトのケビン・ストライボスも第1レース5位、第2レース3位で総合3位となる大健闘で、2人揃って喜びのシャンパンファイトを披露した。
今季カタールで開幕、これまでタイ、ブラジルと続いたシリーズの会場は、第4戦で初めてヨーロッパへと移った。イタリア北部にあるアルコ・ディ・トレント・サーキットでの開催は2年目を迎え、タイトでスリッピーなことに加えて風の強いテクニカルコースの攻略がライダーにとっては最も大きな課題となる。さらに今回はヨーロッパ選手権が併催されてレース数が増えたこともあり、路面は時間を追うごとにギャップとわだちが深く荒れていった。いつにも増してスタートの重要性が高く、レース初盤の順位が結果にも大きく影響する状況となった。
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ニューフレーム、ニューエンジンを搭載したデサールのスズキRM-Z450ワークスマシンは、そのような困難なコース状況にもまったく揺るがない強さとスピードを見せつけた。第1レースはG・ポーリン(カワサキ)に続いて手堅く2位でフィニッシュ。第2レースはJ・ファン・フォルベーク(ヤマハ)とT・カイローリ(KTM)のミスやポーリンのメカニカルトラブルなど
予期せぬ展開も重なり、デサールを含め4ライダーによる激しいトップ争いが繰り広げられたが、前半からトップに出たデサールがパーフェクトな勝利を飾った。
一方、土曜の予選では10位に終わったストライボスだったが、その後マシンセッティングに取り組み、決勝日はベテランらしい走りで本来の実力を発揮した。第1レースは前の4ライダーに迫り、カイローリの前で5位フィニッシュ、第2レースでもカイローリを抑えて3位となり、ベテランの底力とマシンテストの成果を証明した。
現在ポイントランキングでデサールは158ポイントとなりランキング2位に浮上、トップのカイローリに17ポイント差に迫り、3位のファン・フォルビークに4ポイント差をつけている。ストライボスは109ポイントでランキング6位につけている。
次戦第5戦は4月20日、ブルガリアのセブリエボで開催される。引き締まった土質のセブリエボは起伏のあるスピードコースとして名高い。さらにシリーズは5月のオランダGP、スペインGP、イギリスGPと続く。
なお,MX2クラスでは,ロックスターエナジースズキヨーロッパチームのグレン・コルデノフが第2レースで今季2度目の優勝,総合順位3位で登壇した.
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