2014FIMモトクロス世界選手権シリーズ第2戦が、暑さで知られるタイのシラチャで開催され、ロックスターエナジースズキでワークスマシンRM-Z450を駆るクレメン・デサールは、第1レース、第2レース共に2位のポディウムを獲得、総合2位となり、順調にランキングを上げた。
前の週にカタール・ロサイルでの開幕ナイトレースを消化した後、WMX各チームはタイの首都バンコクからおよそ100キロにある、観光都市パタヤに近いシラチャの会場へと移動した。シラチャの大きな特徴である気温と湿度の高さは、詰め掛けた2万2000人の観客にも応える暑さだったが、容赦のない蒸し暑さはライダーにとっても相当過酷なものとなった。コースの土は乾燥し、ハイスピード路面ながら崩れ易くスリッピーでもあり、ラップタイムに差をつけにくい。よってスタートの良し悪しが、その後の展開と順位に大きく影響する。デサールは土曜の予選から2位をマークしており、ワークスマシンRM-Z450と自身の好調をアピールしながら、決勝ではさらにハイレベルなトップ争いとなるだろうとコメントした。決勝第1レースの30分プラス2周で、デサールはトップのカイローリ(KTM)に続き、後続のJ・ファン・フォルベーク(ヤマハ)に17秒の大差をつけて2位フィニッシュ。わずかに気温が下がった午後の第2レースでは、2番手のファン・フォルベークを押さえてトップに出たデサールが総合優勝のチャンスを狙った。
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しかしながらレース後半を過ぎてデサールのマシンがパワーダウン、後方から接近してきたカイローリにパスを許してしまう。パワートラブルの原因は今大会用に特別許可されたレースガス及びその影響によるオーバーヒートと考えられた。この症状は他のチームにも見られ、デサールのチームメイトのケビン・ストライボスもまた同様の事態に見舞われ、ペースを落とした。18ラップ中12ラップをトップ走行しながら第2レースも2位に終わったデサールは不満を隠しきれない様子だったが、この日の総合2位獲得によってポイントランキングを5位へと上げ、トップに21ポイント差としてタイトル争いに浮上した。
ストライボスはさらにこの日、原因不明の電気系統トラブルにも悩まされていた。第1レースはスタート後7番手から最後は5位まで追い上げたものの、第2レースは14位で総合11位に終わった。
開幕から2週連続のGPを終えたロックスターエナジースズキは、チームの拠点ベルギーのロンメルへと戻り、次戦に備える。第3戦は3月30日、ブラジルのベトカヘロで開催される。
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