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2014年9月14日 MFJ全日本ロードレース選手権 JSB1000
オートポリス(大分県)
津田拓也、今季最高位の2位獲得
9月14日に大分県オートポリスサーキットで、全日本第6戦オートポリス2&4が開催された。二輪、四輪それぞれのモータースポーツファンにレースを楽しんでもらおうと行われている2&4スタイル。今季は全部で3レースがスケジューリングされており、今回はJSB1000クラスが二輪では開催された。オートポリスでのレースは第2戦で既に行われておりその関係から、今回は事前テストが行われなかった。そうしたこともあり、全日本のJSB1000クラス自体は6月末に行われた第4戦SUGOから約2ヶ月半ぶり、7月末の鈴鹿8耐からは約1ヶ月半ぶりのこのクラスの開催となる。今回のレースにスズキ勢としては、ヨシムラスズキシェルアドバンスの津田拓也、Team KAGAYAMAの加賀山就臣のレギュラー組に加え、第4戦を欠場したMOTOMAPSUPPLYの今野由寛が復帰。さらには、J-GP2クラスを戦っているエスパルスMFDレーシングの生形秀之もヨシムラのマシンをレンタルしてスポット参戦。上位入賞が期待された。

阿蘇の山間にあるオートポリス。その地形を活かし、アップダウンが特徴となっており、特に後半セクションの登り区間にレイアウトされた高速コーナー攻略が、タイムアップのカギとなる。ハイスピードで左右にマシンをバンキングさせ、その高い荷重を支える力強いリア回りのセットアップが求められる。また山間にあることから、気まぐれな天気に振り回されることの多いのもこのコースならではなのだが、今回は三日間とも安定した天候に恵まれ、天気に関しては心配する必要のないレースウイークとなった。

金曜日のART合同テストは、午前中に50分の走行が2本行われた。1回目の走行で津田は1分49秒976のタイムで3番手に付け、順調な滑り出しを見せた。多くのテストメニューを組んでいる加賀山も着々と予定している項目を消化し、このセッションは1分50秒345で7番手となった。スポット参戦の生形は1分51秒813で10番手、久々の参戦となる今野も1分52秒807で11番手に付けた。2日目のセッションではさらにタイムを伸ばし、津田は1分49秒397で3番手、生形1分50秒485で7番手、加賀山1分50秒529で8番手、今野1分51秒819で13番手となった。

土曜日の予選はノックダウン方式とされ、Q1は40分で行われ、上位10人のライダーがQ2へ進出できる。このQ1では津田が1分49秒506で4番手、加賀山1分49秒931で6番手、生形1分50秒460で8番手、今野1分51秒181で10番手と、四名全員がQ2進出に成功した。15分間のQ2では津田が1分48秒台へタイムを入れ、2番手を獲得。加賀山も48秒台へあと一歩となる1分49秒105で6番手、生形も49秒台となる1分49秒417をマークして8番手、今野は1分52秒100で10番手となった。
 
決勝朝のウォームアップ走行で津田は2番手に付け、決勝への期待が高まる。加賀山もこのセッションでは5番手、生形7番手と順調な仕上がりを見せていた。

レースがスタート。加賀山が得意のスタートダッシュを見せ、2番手で1コーナーへ飛び込む。うまく1コーナーからマシンを加速させた加賀山は3コーナーでトップに立ち、レースを引っ張る。トップでメインスタンド前に戻ってきた加賀山。ところが後続のマシンがメインストレートで接触し、転倒して炎上してしまったことから、レースは赤旗中断となった。

この影響で、当初は18周で行われる予定だった決勝レースだが、14周に短縮されて再スタートを切ることになった。2回目のスタートでも加賀山は絶妙な飛び出しを見せ、また津田もうまく加速できた。二人並んで1コーナーに飛び込む形となり、先に津田がコーナーに入ったのだが、ライン的には加賀山に分があり、立ち上がりでの加速では加賀山が前に出た。またオーバースピードで飛び込んだ津田はその後にうまく加速できず、複数台にパスされてしまう。またしてもオープニングラップを制したのは加賀山。津田は6番手、生形9番手、今野14番手で1周目をクリアする。順位を落としてしまった津田だったが、徐々にポジションを回復。4周目5位、5周目4位、10周目には2位に上がる。これに対して加賀山は3周目3番手、4周目には7位にまで順位を落としてしまう。また第1レースでややマシンにトラブルを抱えてしまった今野はなかなかペースを上げることができず、危険でもあることから5周したところでピットに戻り、レースをリタイヤとなった。JSB1000初レースとなった生形はまずまずのスタートを切り、3周目8位、5周目には7位と順位を上げていく。テールtoノーズの僅差でトップ争いを展開する津田は最終ラップの後半セクション、立体交差手前の右高速コーナーで、ややインを空けたヤマハの中須賀克行選手の内側へマシンを潜り込ませようとしたが前に出るまでには至らず。0.282秒差で2位チェッカーとなった。終盤に再び順位を上げ、トップグループと同じレベルのラップタイムで追い上げた加賀山は表彰台までは届かず、5位。生形は6位で初レースを終えた。
 
 
 

 

津田 拓也  ヨシムラスズキシェルアドバンス

2位

「マシン的にはうまくまとまり、最後までトップ争いができたのでいいレースになりました。前半戦はトップ争いに大きく離されてしまっており、今回は最後までトップがねらえる位置で走り切れましたので、その点は評価できると思います。中須賀さんはまったく隙のない走りをしていたのですが、ラストラップのあのコーナーだけほんの少しラインを外したのでねらいましたが前に出られませんでした。さらにマシンをしっかり仕上げ、次は前でチェッカーを受けられるようにしたいと思います」

加賀山 就臣  Team KAGAYAMA

5位

「まだ満足できるレベルではないですが、今シーズン初めてドライコンディションでポジティブなレースができました。うまくスタートが切れて、そのままの順位をキープできればまた違ったレースになっていたはずですが、そこで自分がミスしてしまい、複数台に抜かれてしまったのは痛かったですね。でもトップグループと同じレベルでレース中盤から終盤にかけて走ることができたので、トップとの差は確実に詰まった手応えを感じています。今回も遠くまでたくさんのスポンサーさんが応援に来てくれたので、ぜひ良い結果を出して恩返ししたかったのですが残念です。でも、手応えはありますので残り3レースで必ず良い結果で恩返しします。応援、ありがとうございました」

今野 由寛  MotoMap SUPPLY

リタイヤ

「少しブランクが空いてしまったので、回りがどれくらいレベルアップしているのか不安でしたが、レースウイークに入って思ったほど差がなかったので安心しました。ダンロップさんもタイヤ開発が進んでいて、力強いバックアップをしてくれたのも助かりました。第1レースで少しクラッチが焼けてしまったようで、赤旗中断で交換したかったのですが時間的に無理だったので、そのまま再スタートしました。加速でもクラッチが滑ってしまい、うまく加速しない状態になり、追突させる危険性があったのでリタイヤしました」

生形 秀之  エスパルスMFDレーシング

6位

「鈴鹿8耐ではテストに第4ライダーとして呼ばれたりしますが、結局どれくらい走れるのか実績がないことから決勝に参加できないような状況が続いており、自分自身の経験を積む意味でもタイミングが合えばこのクラスへのスポット参戦はぜひしてみたいと考えていました。ちょうどこのレースであればマシンが空いているのでとヨシムラさんから声を掛けていただき、監督もいいチャンスだからと応援してくれたのでスポット参戦を決めました。テストがなかったのでSUGOで二日間走り、オートポリス入りしました。自分自身の目標としてはヨシムラのマシンという恵まれた環境なので、予選はトップ10入り、決勝はトップ6というものを掲げていたので、それ自体はクリアできましたが、体力的にも厳しかったですし、タイムも49秒台でレースしたかったので、課題の多いレースになりました」
 

順位

ライダー

メーカー

Time/gap

1位

中須賀克行

ヤマハ

Laps14

2位

津田拓也

スズキ

+0.282

3位

柳川明

カワサキ

+1.181

5位

加賀山就臣

スズキ

+6.564

6位

生形秀之

スズキ

+17.205

DNF

今野由寛

スズキ

9Laps

 

順位

ライダー

メーカー

ポイント

1位

中須賀克行

ヤマハ

109

2位

高橋巧

ホンダ

105

3位

津田拓也

スズキ

94

4位

柳川明

カワサキ

70

6位

加賀山就臣

スズキ

68

16位

今野 由寛

スズキ

21