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2014年4月27日 MFJ全日本ロードレース選手権 JSB1000
オートポリス(大分県)
予選から決勝日は6℃も気温が低下。
コンディション変化への対応が難しく、津田4位、加賀山7位、今野10位でゴール

 

 2週間前に鈴鹿で開幕した全日本ロードレース選手権シリーズ。第1戦は2&4スタイルのため、JSB1000クラスのみの開催であった。そして今回の第2戦のレースでやっと、全クラス開催の形となる。

 コースは阿蘇の山間にあるオートポリス。全長4.674kmの中に20のコーナーがレイアウトされている。路面のグリップは国内でも最高レベルにあり、しかも2年前に全面路面改修が行われたことから、サーキットのコンディションは非常に良い。高低差もあることから、マシンのバランスが非常に重要となるコースだ。

 金曜日のART走行終了後にコース上で、今シーズンの全日本ロードレース選手権へスズキGSX-Rで参戦する各クラスの年間エントリーライダーらによる集合写真の撮影が行われた。改めて、全クラスが開催となるこのレースが実質上の開幕戦であるということをライダー、チームスタッフが再確認する出来事であった。

 ここは、山間にあるサーキットのため、天候に悩まされることの多いサーキットで、事実、前週に行われた事前テストでは霧の為、丸一日がキャンセルとなっている。今回もレースウィークの天気予報によると日曜日の天候が心配されたが、四日間ともドライコンディションでスケジュールを消化することができた。しかし雲の状態や風の具合で寒暖差が大きく、その点では予断を許さない。

 津田は、第1戦では、ロングランテストができていないことから、タイヤが消耗してきてからのマシンバランスが取れず苦戦したのでそのあたりを意識し、今回の事前テストからセットアップを進めていった。Team KAGAYAMAはチームの開発ライダーを務める武田雄一がギリギリまで岡山国際サーキットでテストを敢行。チームの総力を挙げてマシンのポテンシャルアップを図っている。今野も第1戦で見出したセットアップの方向性でさらにパフォーマンスアップを図るべく、セッティング出しを行っていった。

 金曜日のART合同走行では津田5位、加賀山7位、今野11位のタイムをマーク。予選へ向けてセットアップを進めていく。

 

 

 ノックアウト方式の予選Q1では津田が4番手、加賀山7番手でQ2へ進出。今野はQ2進出までコンマ3秒ほど足らず、12位で決勝をスタートすることとなった。津田はQ1で、早々に49秒台をマークした後に3コーナーで転倒。その後の走行をTカーで進めなければならなかったが、マシン変更による影響は大きなものではなかった。

 気温19℃まで上がるコンディションの中で行われたQ2では、津田が1分48秒393のコースレコードタイムをマーク、一時はトップに立ったが、転倒のダメージもありタイムはその後伸びず、他のライダーに更新され3番手となった。加賀山は渾身の走りを見せるも7番手となった。

 決勝日は朝から風が強く、雲が多い天気となった。朝のウォームアップ走行は気温16度℃、気温上昇が期待された決勝だったが、13℃と逆に下がってしまった。

 そんな中で決勝がスタート。津田、加賀山ともに絶妙のスタートダッシュを決めた。ホールショットを十分にねらえるスペースを1コーナーに見付けた加賀山だったが、サイティングラップでタイヤが想像以上にスライドしていたことからハイスピードでの飛び込みを抑え、3番手で1コーナーを通過した。ホールショットは津田が奪い、これにポールシッターの渡辺一樹選手が続く。津田はそのままオープニングラップをトップで通過。加賀山は5番手で、今野はややスタートで遅れ、13番手でそれぞれ通過していく。

 トップグループは2周目に1分49秒台へ入れるが、津田は1分50秒台のため、2番手に後退。3周目には49秒台へ入れ、第2ヘアピンの飛び込みでトップを再び奪う。49秒台前半までタイムを上げてトップグループを引っ張る津田だったが、6周目には50秒台へタイムを落とすと一気に4番手までポジションをダウンしてしまう。7周目には5位まで落ちるが、もう一度49秒台へタイムを上げ、前を走る柳川明選手を17周目に捉え、4位へ浮上。これを抑えきって4位チェッカーとなった。加賀山は7位を1分50秒から51秒台でラップ。そのまま7位でゴールした。今野は4周目に10位まで順位を上げると、安定してこの位置を走行。10位でチェッカーを受けた。
 J-GP2では、前年度ランキング2位で、GSX-R600をベースとしたGSX-MFD6を駆る生形秀之が、しぶとい走りで3位表彰台を獲得した。

 
 

津田 拓也  ヨシムラスズキシェルアドバンス

4位

「予選で転倒してTカーを使わなければならなくなってしまった状況以外は、ほぼ思い通りにマシンのセットアップを進めることができました。自分の感覚としては、現状のマシンのパッケージではベストと言える状態まで仕上がっていたと思います。ですがライバル達の進化はそれ以上にあり、タイヤが消耗していくレース中盤から後半でのタイム維持に関して厳しいことがレース結果に出てしまった印象です。マシン、ライダーともにさらにレベルアップするため、新たなことにもトライしていかなければならないことを痛感しました。レースウイーク中もずいぶんチームスタッフとミーティングを重ねたのですが、さらに話し合いをし、打開策を見付けたいと思います。たくさんのファンの方に今回も応援いただきました。ありがとうございます。」

加賀山 就臣  Team KAGAYAMA

7位

「このレースウイークはずっと7番手で、そのメンバーを見ると常にレースで上位7番手までを占めるライダーたちで、その中で自分は一人も越えることができませんでした。大きな原因は開幕戦から苦労している車体のセットアップの煮詰めが、ライバルに対してアドバンテージを作るレベルにもいっていないという点にあります。今回はさらに、予選と決勝の気温差が6℃もあったことから、マシンのセットをレースコンディションに合わせ込むことが厳しくなってしまい、ライバルを上回る走りができませんでした。応援してくれているたくさんのファンの方々、タイヤを作ってくれているエンジニアの方、チームスタッフのみんなの期待に応えられず、迷惑をかけてしまいました。申し訳なく思います。なんとかこの状況を打開し、期待に応えられるようさらに努力を続けます。引き続き応援、宜しくお願いします。」

今野 由寛  MotoMap SUPPLY

10位

「1週間前の事前テストでは去年のタイムを上回ることができませんでしたが、新しいサスペンションのセットアップを中心に、そこからこのレースウイーク中も進めることとなりました。次のもてぎのレースまで1ヶ月あるので、ここまで出てきたいいところ、悪いところをもう一度しっかり検証し、仕切り直ししたいと思います。引き続き応援、宜しくお願いします。」
 

順位

ライダー

メーカー

Time/gap

1位

高橋巧

ホンダ

Laps20

2位

中須賀克行

ヤマハ

+3.095

3位

渡辺一樹

カワサキ

+3.489

4位

津田拓也

スズキ

+8.981

7位

加賀山就臣

スズキ

+30.831

10位

今野 由寛

スズキ

+1:05.254

 

順位

ライダー

メーカー

ポイント

1位

中須賀克行

ヤマハ

47

2位

高橋巧

ホンダ

47

3位

渡辺一樹

カワサキ

38

4位

津田拓也

スズキ

32

7位

加賀山就臣

スズキ

27

8位

今野 由寛

スズキ

21