クルーゼルが冷静かつポジティブなレース運びで両レース7位獲得!
トルコ・イスタンブールの『インターシティ イスタンブールパークサーキット』で開催されたeni FIMスーパーバイク世界選手権第11戦、チーム フィクシィ・クレセント・スズキのジュエル・クルーゼルが、第1レース、第2レース共に7位を獲得した。チームメイトのレオン・キャミアがレースウィーク始めに負傷しDNSを余儀なくされたため、チーム唯一のライダーとして出場したクルーゼルだったが、気合いに満ちた走りを披露した。第1レースはD・ジュリアーノ(アプリリア)との長いバトルを展開、幾度にも渡り前後ポジションを入れ替わる激しい競り合いが続いたが、最後にリアグリップの限界を感じたクルーゼルは手堅く完走する方を選び7位フィニッシュ。第2レースでも、クルーゼルはスタートからトップグループに食い込む勢いで、第1レース同様のレース展開となるかと思われた。その後5ラップ目の第1コーナーでアウトに膨らみラインを外したものの、素早く立ち直ると7番手にいたジュリアーノをパスして、L・ハスラム(ホンダ)とのバトルに突入。ハスラムが前に出るシーンもあったがすぐにクルーゼルが巻き返し、ヨシムラによってチューンされたスズキGSX-R1000と共に印象的なライディングで安定したラップを刻み、第1レースに続いて7位を獲得した。
レオン・キャミアは、レースウィーク始めのフリープラクティスでのクラッシュにより負傷、金曜日に手術を受け現在療養中にある。キャミアは今日も脱水症状を起こしたため再び病院を訪れたが、その後は回復し、術後の経過も順調とのこと。さらにキャミアは明日にも自宅のあるアンドラへ戻り、しばらくの間はリハビリに集中する。現在の予定では、10月20日に開催されるWSB最終戦スペイン・ヘレスでのレースに復帰の見込みとなっている。
今日の決勝レースは暖かい好天に恵まれ、路面温度が40度に達する中、E・ラバティ(アプリリア)が両レースを制した。第12戦は9月29日、アメリカ・カリフォルニア州のラグナ・セカで開催される。
- ポール・デニング チーム代表
「ジュエルはよく頑張って、ハイレベルな走りを見せてくれました。トップ3とのタイム差も実際それほど変わらないのに、それでもトップ5入りが叶わなかったのは、おそらくどこかで無駄な力が入りすぎているからではと思います。しかしながら、たとえミスでタイムロスしても立て直し、走りのリズムを取り戻して、電気系統のセッティングについても色々と試みながら、今大会は得るものが大きいレースでした。たとえ我々が7位の結果を少し残念だと思っても、ジュエル本人はとても楽しんで多くを学んでおり、次のアメリカ遠征にも非常に良いムードです。また、レオンの怪我が連続したことについては、本当に不運としか言えません。手術は成功しましたが、脱水症状と怪我の具合で今日もまた病院に行きました。今は回復に向けて完全療養中です。大会のメディカルチームの素晴らしい医療体制と、ドッドソンブローキンググループの全面協力に心より感謝します。」
順位 | ライダー | メーカー | Time/gap |
---|---|---|---|
1位 | E・ラバティ | アプリリア | 34'57.650 |
2位 | M・メランドリ | BMW | 2.009 |
3位 | T・サイクス | カワサキ | 3.432 |
4位 | S・ギュントーリ | アプリリア | 3.919 |
5位 | D・ジュリアーノ | アプリリア | 15.830 |
7位 | ジュエル・クルーゼル | スズキ | 16.921 |
順位 | ライダー | メーカー | Time/gap |
---|---|---|---|
1位 | E・ラバティ | アプリリア | 34'58.775 |
2位 | T・サイクス | カワサキ | 1.708 |
3位 | S・ギュントーリ | アプリリア | 4.052 |
4位 | M・メランドリ | BMW | 10.860 |
5位 | T・エリアス | アプリリア | 12.171 |
7位 | ジュエル・クルーゼル | スズキ | 17.434 |
順位 | ライダー | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1位 | T・サイクス | カワサキ | 323 |
2位 | S・ギュントーリ | アプリリア | 315 |
3位 | E・ラバティ | アプリリア | 297 |
4位 | M・メランドリ | BMW | 290 |
5位 | C・デイビス | BMW | 239 |
9位 | ジュエル・クルーゼル | スズキ | 141 |
11位 | レオン・キャミア | スズキ | 114 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1位 | アプリリア | 419 |
2位 | カワサキ | 377 |
3位 | BMW | 354 |
4位 | ホンダ | 216 |
5位 | スズキ | 193 |
6位 | ドゥカティ | 144 |
7位 | ヤマハ | 4 |
「今回のレースウィークは全体に面白かったです。第1レースは5位を狙っていける内容だったにもかかわらず、7位の結果は悔しかったです。粘って他の数台とバトルしながら追い上げを試みましたが、最後はどうしてもパスできませんでした。でもレースに有効なデータを多く得ることができました。シャシーにいくつかの変更も加えてみて、走ってその違いも解ったのですが、それを実際に乗りこなすのはやはり簡単なことではありません。レース中にいくつかミスもあり、良いラップタイムも出せはしましたが、一番の収穫はレース終盤にありました。とにかく冷静に、トラクション状態をよく見ながらマシンの調子を理解しようとしました。マシンも自分も、第1レースと第2レースとではどのように違っているかを見極めようと頑張りました。次回のレースまで少し時間もあるので、多くの情報を得ながらさらに理解を深めていきます。次戦を走るのが今からとても楽しみです。今日は両レースでの7位に満足していますが、さらにもっと速くなれる手応えを感じたレースだったので、もっと頑張ります。」