キャミアが第1レース3位、クルーゼル第2レース2位を獲得。今季初、待望のダブルポディウム達成!
イギリスのシルバーストーンで開催されたeni FIMスーパーバイク世界選手権第9戦、チーム フィクシィ・クレセント・スズキのレオン・キャミアが第1レース3位、さらにチームメイトのジュエル・クルーゼルが第2レースで2位を獲得、2人共にポディウム登壇を果たし、チームにとっても今季ベストリザルトを祝う記念すべき日となった。
とりわけルーキーライダー、クルーゼルの第2レースでの活躍は目覚ましいものがあった。レース後半の13ラップから15ラップの3ラップで、クルーゼルは見事なトップ走行を披露した。10番グリッドから鮮やかなスタートを決めたクルーゼルは、オープニングラップを終えて7番手に浮上すると、その後も積極的に攻めながら着々と順位を上げていき、8ラップ目にはとうとうトップ3バトルに加わった。同時にキャミアもトップバトルの中の1台に入っており、フィクシィ・クレセント・スズキの2台がトップ争いを繰り広げるというエキサイティングなシーンもあった。惜しくもキャミアが順位を落としたものの、クルーゼルは2番手をキープしながらチャンスを狙った。しかしながら強まった雨が災いしてクルーゼルはまさかの転倒に見舞われてしまう。マシンを放すことなくすぐに再スタートを切ったクルーゼルは、この日の幸運もしっかりと手にしていた。他ライダーの転倒によりレースはレッドフラッグとなり、その前ラップ時点の順位からの再スタートとなったことで、クルーゼルの転倒は打ち消され、再び2番手に返り咲いたのだ。そのままフィニッシュを果たしたクルーゼルはチームにとってもベストリザルトとなる2位を獲得、キャミアもまた粘り強い走りで第2レース5位と健闘した。
キャミアの第1レースは、ヨシムラによってチューンされたスズキGSX-R1000と共に、計17ラップに渡り最後まで猛追劇を披露、3位のポディウム登壇でみずから27歳の誕生日を祝った。この日、1周5.902キロのコースに降り注いだ雨のためスタート時間は遅れ、そしていざ第1レースがスタートすると、7番グリッドから決して良いスタートとは言えなかったキャミアは、オープニングラップを終えて10番手まで順位を落とした。雨のためコースの一部がウェットになったが、トップグループはタイヤ交換にピットインするライダーもなく、キュミアは猛烈な追い上げを開始した。12ラップ目で3番手まで順位を上げると、16ラップ目にはとうとう2番手へ、そしてラストラップにE・ラバティ(アプリリア)とのバトルの末3位フィニッシュ。キャミア自身にもチームにも今シーズン初となるポディウム登壇となった。
第1レースのクルーゼルの活躍もまた見逃せない。10ラップ目には3番手まで順位を上げトップバトルに加わるシーンを見せた。タイヤの選択が影響して最後は6位でチェッカーを受けたものの、その走りは上位獲得のチャンスをうかがわせるに充分なものだった。
フィクシィ・クレセント・スズキはつかの間の夏休みを取った後、9月1日ドイツのニュルブルリングで開催される次戦に備える。
- ポール・デニング チーム代表
「フィクシィ・クレセント・スズキにとって今日のシルバーストーンは素晴らしい日になりました。チームのこれまでの絶え間ない努力が実を結んだのです。第2レースの終盤には4ラップほどレオンとジュエルがワン・ツーを走るという、まるで夢のような場面もあり、とにかく両ライダーがよく頑張って好成績を出してくれました。もしも第2レースがドライのままだったら、そしてあと5ラップあったなら、レオンが勝てたレースだったでしょう。それほど今日のレオンのペースは素晴らしかったけれど、雨と、それにBMWのデイビスのクラッシュもあって後退を余儀なくされました。それでもレオンの第1レース3位と第2レース5位は決して悪い結果ではないし、ジュエルの第2レース2位は我々の予想を越える快挙です。 チームのすべてのパートナーとスポンサー、応援してくれた皆さんに感謝します。今日の結果には皆さんに満足いただけたと思います。チームのスタッフにも本当に良く頑張った、お疲れ様と言いたいです。」
順位 | ライダー | メーカー | Time/gap |
---|---|---|---|
1位 | J・レイ | ホンダ | 37'16.058 |
2位 | E・ラバティ | アプリリア | 3.073 |
3位 | レオン・キャミア | スズキ | 3.480 |
4位 | S・ギュントーリ | アプリリア | 3.608 |
5位 | L・バズ | カワサキ | 4.140 |
6位 | ジュエル・クルーゼル | スズキ | 5.659 |
順位 | ライダー | メーカー | Time/gap |
---|---|---|---|
1位 | L・バズ | カワサキ | 33'46.622 |
2位 | ジュエル・クルーゼル | スズキ | 0.609 |
3位 | E・ラバティ | アプリリア | 0.869 |
4位 | J・レイ | ホンダ | 2.145 |
5位 | レオン・キャミア | スズキ | 2.229 |
6位 | S・ギュントーリ | アプリリア | 2.374 |
順位 | ライダー | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1位 | S・ギュントーリ | アプリリア | 262 |
2位 | T・サイクス | カワサキ | 249 |
3位 | E・ラバティ | アプリリア | 226 |
4位 | M・メランドリ | BMW | 221 |
5位 | C・デイビス | BMW | 180 |
9位 | レオン・キャミア | スズキ | 114 |
10位 | ジュエル・クルーゼル | スズキ | 113 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1位 | アプリリア | 336 |
2位 | カワサキ | 303 |
3位 | BMW | 276 |
4位 | ホンダ | 189 |
5位 | スズキ | 165 |
6位 | ドゥカティ | 128 |
「第1レースは満足のいくレースでした。完全ドライコンディションだとトップと同じペースで行けるかどうか絶対的な自信がなかったのですが、ドライとウェットのミックスコンディションならばそれを最大限に利用した走りをして勝負できるのではと思い、最後は3位まで追い上げることができました。ラストラップでユージン(ラバティ)をパスしたのですがストレートで巻き返され、再度仕掛けようとしましたが限界でした。第2レースは第1レースよりスタートも上手く出て、チームのおかげでマシンも調子良く走り、特にレース終盤は今シーズン最高の走りができたと思います。内容的には勝てるレースだっただけに5位の結果は残念です。ターンで何度かミスがあり、さらに目の前でチャズ(デイビス BMW)がクラッシュしたのが大きなタイムロスでした。さらにそのあとギュントーリに押し出されて、色々運の悪いことが重なってしまった形で順位を落としました。今日のジュエルの走りは褒めてやりたいです。ジュエルは2レースとも本当によく頑張ったし、特に第2レースは最高の走りをしていました。ジュエルだけでなく、チームにもスポンサーにも最高の日になりました。」
「第2レースはタイヤチョイスも正しかったのでタイムも出て、良い結果が残せたので大変嬉しいです。スタートは良くなかったけれど、ドライ路面で追い上げることができ、また雨が降っている所もウェットという程ではなかったので、思うように攻めることができました。いくつかのポイントで順位を上げるチャンスがあり、また雨に助けられたレースでもありました。ラストラップでの転倒は本当にまさかという感じでしたがすぐに再スタートできて、そうしたらレースがレッドフラッグになるという信じられないような展開で、最終的に2位になることができました。これもすべて支えてくれたチームのおかげです、感謝します。今日はレオンの誕生日で、バースデーケーキでレオンのポディウム獲得を祝えたこともとても嬉しかったです。」