キャミアが果敢な走りで第2レース7位フィニッシュ。
イタリアのモンツァで開催されたeni FIMスーパーバイク世界選手権第4戦、チーム フィクシィ・クレセント・スズキのレオン・キャミアが、第2レースで7位フィニッシュ、キャミアらしいパワーあふれる走りを披露した。
この日8番グリッドスタートのキャミアは第2レース、オープニングラップからの3ラップまで8番手をキープしていたが、6ラップ目には6番手に浮上、トップグループへ接近していった。中盤以降はD・ギグリアーノ、M・ファブリツィオの2台のアプリリア勢との激しいバトルの結果、7位でチェッカーを受けた。前回の第3戦に続いて7位、トップ10入りの好結果は、第2戦の負傷からの完全カムバックも意味している。一方チームメイトのジュエル・クルーゼルは第2レース1ラップ目で転倒、リタイアを余儀なくされた。小指の爪が剥れたもののクルーゼルに深刻な怪我はなく、クルーゼル本人もこの日の結果をしきりに悔しがった。
第1レースでは、キャミアもクルーゼルも好調なスタートからトップ10の位置をキープしていた。しかしながら5ラップ目の第1シケインで、クルーゼルはブレーキングポイントを誤り、コースアウト。すぐにコースへと戻ったクルーゼルはその時点で順位を5番手落としていたが、さらにライン不通過のペナルティを課せられてしまう。ピットレーンへと入りペナルティを受けたクルーゼルは、再スタートの後もひたすら追い上げに専念したが結果は17位。
一方、第1レースのキャミアは、ヨシムラによってチューンされたスズキGSX-R1000と共に9位フィニッシュ、ブレーキトラブルがあったものの、終始積極的な走りで攻めのレースを見せた。第1レースは地元イタリアのM・メランドリ(BMW)が、2位T・サイクス(カワサキ)、3位E・ラバティ(アプリリア)とフィニッシュ前の壮絶なバトルの末に勝利。第1レースはラバティが制した。
第5戦は5月26日、ヨーロッパ大会と称するイギリスのドニントンパークで開催されるレース。フィクシィ・クレセント・スズキの地元となるだけに、活躍が期待される。
- ポール・デニング チーム代表
「まずは何よりも、第2レースでのジュエルの大転倒にもかかわらず大きなダメージがなかったことに安心しています。確かにジュエルについては、期待していた結果は出ませんでした。第1レース、あのシケインまでは非常に順調でしたが、コースアウトとライン不通過によってすべてが終わりました。第2レースはセッティングを変えましたが1周目で転倒してしまって、今回は本当にチームにもジュエルにも、いかなる時にも順調に走り結果を出すための課題が多く残りました。マシンにもまだまだ改善の余地があるし、ジュエルは今日の結果には決して屈しないライダーです。次のドニントンで必ずや結果を出してくれるでしょう。レオンの方は、モンツァでこの結果ならば満足できると思います。第1レースのブレーキトラブルを何とかしなければと取り組んだ結果、第2レースはかなり良いペースで走りました。カワサキ、BMWとアプリリアのファクトリー勢が速かったが、これはモンツァでは仕方のないことです。ヨシムラによってチューンされたスズキGSX-R1000のエンジン性能は2012年に比べて日々改善されており、何よりもパートナーであるヨシムラジャパンのスタッフ陣が我々のために本当に頑張ってくれています。終盤の数ラップはグリップの問題でペースは落ちたものの、レオンの全体のレースペースはトップグループと変わりません。マシンは次戦のドニントンや第6戦ポルティマオのようなサーキットに合っていると思うし、レオンもこれまで好成績を出している場所なので、ぜひともポディウムを目指して頑張ります。」
順位 | ライダー | メーカー | Time/gap |
---|---|---|---|
1位 | M・メランドリ | BMW | 30'54.925 |
2位 | T・サイクス | カワサキ | 0.085 |
3位 | E・ラバティ | アプリリア | 0.107 |
4位 | S・ギュントーリ | アプリリア | 1.844 |
9位 | レオン・キャミア | スズキ | 16.668 |
17位 | ジュエル・クルーゼル | スズキ | 59.545 |
順位 | ライダー | メーカー | Time/gap |
---|---|---|---|
1位 | E・ラバティ | アプリリア | 30'59.653 |
2位 | M・メランドリ | BMW | 0.143 |
3位 | T・サイクス | カワサキ | 0.725 |
4位 | S・ギュントーリ | アプリリア | 1.619 |
7位 | レオン・キャミア | スズキ | 12.241 |
DNF | ジュエル・クルーゼル | スズキ | 17Laps |
順位 | ライダー | メーカー | ポイント |
---|---|---|---|
1位 | S・ギュントーリ | アプリリア | 137 |
2位 | E・ラバティ | アプリリア | 124 |
3位 | T・サイクス | カワサキ | 119 |
4位 | M・メランドリ | BMW | 96 |
5位 | C・デイビス | BMW | 94 |
10位 | レオン・キャミア | スズキ | 46 |
11位 | ジュエル・クルーゼル | スズキ | 41 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1位 | アプリリア | 172 |
2位 | BMW | 144 |
3位 | カワサキ | 130 |
4位 | ホンダ | 78 |
5位 | スズキ | 68 |
6位 | ドゥカティ | 52 |
「第2レースはスタートも良く、7番グリッドスタートのジュエルをオープニングラップでパスしました。その後も走りのリズムを掴んで、また第2レースはブレーキに変更を加えていて、そのフィーリングも良く、積極的な走りができ、これなら行けると思いました。けれども、今日の自分の結果はヨシムラとフィクシィ・クレセント・スズキ両方の努力の成果です。エンジンもみちがえるように良くなっていて、そのおかげで今日の結果につながりました。」
「第1レースでは自分のミスにより、ライン不通過を回避することができませんでした。コースアウトで10秒ロスしてしまい、ポイント圏内ではない状況に追い込まれたのは厳しかったです。第2レースではトラクションを得る為にマシンにいくつか変更を加えましたが、今までの4レースで初めてリアから転倒してしまいました。自分のミスだと思いますが、新しいセッティングに違和感があったのも確かです。タイムを出すにはもっとセッティングをしっかり煮詰めていかなくては。今回ノーポイントに終わりましたが、これはベストを尽くしての結果はないし、次回は絶対に良い結果を出します。」