津田が独走で初優勝!加賀山は惜しくも表彰台に届かず4位入賞。
J-GP2クラスでは生形秀之が今季初優勝。
例年、5月上旬に行なわれる筑波大会が、6月末の開催となった2013年シリーズ。今シーズンは、開幕戦もてぎ大会、第3戦オートポリス大会が雨に見舞われたが、今大会は梅雨の晴れ間に恵まれ、第2戦鈴鹿2&4以来、予選/決勝ともドライコンディションで行なわれることとなった。
土曜日に行われた公式予選では、筑波大会で初めてノックアウト方式が採用され、26台が出走する中、まずはトップ10が最終ステージに進出。スズキGSX-R勢では、ヨシムラスズキレーシングチームの津田拓也が2番手、チームカガヤマの加賀山就臣が5番手、そしてMotoMapサプライの今野由寛が9番手のタイムをマークした。そして最終予選では、津田が2番手タイムをマークしてフロントロー2番グリッドを獲得。加賀山は5番手タイムで2列目、今野は8番手タイムで3列目からのスタートとなった。しかし、この公式予選でTSRホンダの秋吉が転倒し負傷、ランキングトップのライダー不在の中、決勝レースが行なわれることになった。
朝方に雨がぱらついたものの、朝のウォームアップランから路面コンディションはドライ。そのまま日中、天候は回復し、初夏を思わせる陽気の中、決勝レースが行なわれた。
決勝レースでは、フロントローから飛び出した津田がホールショットを獲得し、ここに中須賀(ヤマハ)、加賀山、山口(ホンダ)、高橋(ホンダ)、柳川(カワサキ)が続く展開。津田はオープニングラップからレースをリードし、中須賀を従えて堂々トップを走行。3番手以下をやや引き離し、早くも2人のライダーによるマッチレースとなっていった。
津田と中須賀のトップ争いは僅差で続いていたが、7周目に中須賀がマシントラブルで後退し、そのままリタイヤ。これで津田が独走でトップとなり、周回を消化していくことになる。
津田に続くポジションは、序盤こそ加賀山がリードしていたが、5周目に高橋が集団の先頭に立ち、津田-高橋-加賀山の順で10周を終了。しかし11周目に柳川が3番手に浮上すると、加賀山はジリジリ遅れ始め、背後から迫る渡辺(カワサキ)、山口を抑えて4番手を走行。その後方では、今野が藤田とポジションを入れ替えながらの7番手争いを繰り広げていた。
加賀山は、一度は山口にかわされて5番手に転落するものの、再びパスして4番手を死守。トップを走る津田は、2番手高橋との差を最大5秒近くまで広げ、結局、一度もトップを譲ることなく30周を終了。津田はJSBクラスにステップアップした初年度で初優勝を飾り、ヨシムラにとっては全日本選手権への参戦を休止していた2009年以来、4年ぶりの優勝となった。加賀山は惜しくも表彰台を逃しての4位、今野は藤田のアタックを凌ぎきっての7位でフィニッシュした。
これでシリーズは前半戦を終了し、鈴鹿8耐を迎えるインターバルに突入。筑波大会で秋吉が欠場し、中須賀がリタイヤしたことで、ランキング争いは混戦となり、スズキ勢では加賀山が最上位のランキング4位、津田が5位。加賀山とランキングトップの高橋とのポイント差はわずか7ポイントだ。
J-GP2クラスではエスパルスドリームレーシングの生形秀之が、GSX-R600をベースとしたマシンで出場し、予選5位ながらもクレバーなレース展開で、中盤からトップに立ち、後半は後続をきっちり抑え込み、今季初優勝を飾った。これで生形はポイントリーダーに躍り出た。
順位 | ライダー | チーム名 | Best |
---|---|---|---|
1位 | 中須賀 克行 | ヤマハYSPレーシングチーム | 0'55.772 |
2位 | 津田 拓也 |
ヨシムラスズキレーシングチーム | 0.036 |
3位 | 渡辺 一樹 | TEAM GREEN | 0.532 |
4位 | 山口 辰也 | TOHO Racing with MORIWAKI | 0.653 |
5位 | 加賀山 就臣 | Team KAGAYAMA | 0.659 |
6位 | 柳川 明 | TEAM GREEN | 0.667 |
8位 | 今野 由寛 | MotoMap SUPPLY | 1.309 |
順位 | ライダー | チーム名 | Time/gap |
---|---|---|---|
1位 | 津田 拓也 | ヨシムラスズキレーシングチーム | 28'28.579 |
2位 | 高橋 巧 | MuSASHiRTハルク・プロ | 2.159 |
3位 | 柳川 明 | TEAM GREEN | 5.068 |
4位 | 加賀山 就臣 | Team KAGAYAMA | 11.157 |
5位 | 山口 辰也 | TOHO Racing with MORIWAKI | 11.568 |
6位 |
渡辺 一樹 | TEAM GREEN | 13.924 |
7位 | 今野 由寛 | MotoMap SUPPLY | 36.947 |
順位 | ライダー | チーム名 | ポイント |
---|---|---|---|
1位 | 高橋 巧 | MuSASHiRTハルク・プロ | 78 |
2位 | 柳川 明 | TEAM GREEN | 76 |
3位 | 秋吉 耕佑 | F.C.C.TSR Honda | 72 |
4位 | 加賀山 就臣 | Team KAGAYAMA | 71 |
5位 | 津田 拓也 | ヨシムラスズキレーシングチーム | 67 |
6位 | 中須賀 克行 | ヤマハYSPレーシングチーム | 61 |
8位 | 今野 由寛 | MotoMap SUPPLY | 50 |
「やっと勝てました! 開幕から雨やレース中のペースカーなどで、ドライのまま最後まで走る、ということがなかったので、やっとチームに恩返しができましたね。マシンは最高の状態のまま、大きく変えることもなく、とにかく金曜の合同練習から走り込みました。去年もST600で勝っているコースですが、本当は得意というより、あまり得意じゃないレイアウトなんですが、序盤からうまく抜け出せましたね。予選が終わって中須賀さんとの一騎打ちとは思っていたので、序盤の展開は想定内。中須賀さんがトラブルでいなくなってからは、自分のペースで走り抜こうと。一度でも誰かを前に出したら追い付かないような気がして、とにかく最初から最後まで全力で逃げました。やっと結果を出せてうれしいです。ヨシムラが全日本で勝つのは、活動休止をはさんでいたから4年ぶりだと聞いたのですが、その節目を自分で飾れて本当にうれしいです!」
「筑波は僕のホームコースといえるところで、たくさん応援の方にも来ていただいたんですが、もうひとつステップアップできませんでした。予選では自己ベストは出せたんですが、目標としていた56秒台には届かずで、2列目グリッドに入れませんでした。決勝はスタートもまずまずうまくいったんですが、やはりトップグループから毎ラップ1秒ほど遅れている状態。毎レース、目標としているのはトップチームに次ぐ順位なんですが、そこには入れたものの、トップ6から20秒以上も離されています。目標はクリアしたレースでしたが、もう1ランクアップを狙って、もう少しマシンも走りも詰めたいです。」
「ケガの状態は、まだトレーニングできるほどではありませんが、徐々に回復してきています。でも、やっぱり筑波は体に負荷がかかるレイアウトで、全力で行きましたが、納得する結果では終われませんでしたね。事前テストの状態から、トップグループからやや遅れの状態が続いていて、それを解消できないままのレースでした。小さいコーナーが続くレイアウトなので、タイヤのいいグリップを出せないままで、特にレース序盤のペースが上げられなかったのが響きましたね。結果は精いっぱいやって、表彰台に届かなくて悔しいですが、現状のベストは尽くせたと思います。これでシリーズはインターバルに入ります。すぐに週明けからチーム全体で8耐モードに入って、テストを重ねて最高の結果を出したいと思います。」