全日本ロードレース選手権 開幕戦、加賀山就臣が6位入賞!
ついに開幕した全日本ロードレース。今シーズン、JSB1000クラスのスズキユーザーは、4年ぶりに全日本ロードレースに復帰したヨシムラスズキ、MotoMap SUPPLY、そしてTeam KAGAYAMAの3チームをメインに、浜松チームタイタンなどが参戦した。
ライダーは、ヨシムラスズキからは、JSB1000クラス初参戦となる津田拓也。MotoMap SUPPLYは引き続き今野由寛、Team KAGAYAMAも引き続き加賀山就臣が参戦。しかし加賀山は、昨年のオートポリス大会での負傷がまだ癒えず、シーズン前には再び入院し、左ひざの手術を受けたばかり、というコンディションでの強行出場となった。
今大会は開幕戦ということもあり、通常よりも1日長い木曜日からレースウィークがスタート。しかし、気温、路面温度とも3月末とは思えないほど寒く、しかも1日ごとに気候も安定しないコンディション。土曜の公式予選は、今にも降り出しそうな曇り空となった。
新たに2ステージ制ノックアウト方式で行われることとなった公式予選では、第2ステージに進めるTOP圏内に津田、加賀山が進出。第2ステージの結果、津田がフロントロー3番手、加賀山がセカンドロー5番手グリッドを獲得。今野はおしくも11番手で第2ステージに進めず、4列目からのスタートとなった。
日曜の決勝日は雨。小雨ながら終日路面はウェットコンディションで、気温は10℃に届かないという、冬を思わせるコンディション。ウィークで初めてのレインタイヤ装着のウォームアップ走行では、今野が4番手に進出。津田が9番手、加賀山が11番手タイムをマークした。
決勝レースは、引き続き霧雨のなかでの開催。スタートでは加賀山がうまく飛び出し、1コーナーへ2番手あたりで進入。しかし、やはり体力的に無理ができず、6番手でオープニングラップを終了。今野もスタート良く飛び出し7番手あたりにポジションを上げて2周目に突入するが、津田はスタートこそよかったものの、オープニングラップのペースが上がらず、11番手あたりまでポジションを下げてしまう。
レースは秋吉(ホンダ)がリードし、柳川(カワサキ)、山口(ホンダ)、中須賀(ヤマハ)、高橋(ホンダ)の後方に加賀山、今野がつけるオーダー。ポジションは、秋吉がペースを上げたまま独走態勢に入り、レース前半に高橋が2番手に浮上。山口、柳川、中須賀が3番手争いを展開するなか、加賀山は単独で6番手をキープ。今野はレース後半に8番手となるものの、このポジションをキープ。さらに津田はスタートこそ出遅れたものの、周回を重ねるごとにペースを上げ、トップグループと変わらないタイムで周回し、9番手までポジションを上げてフィニッシュした。
順位 | ライダー | チーム名 | Time/gap |
---|---|---|---|
1位 | 秋吉 耕佑 | F.C.C.TSR Honda | 1'50.385 |
2位 | 中須賀 克行 | ヤマハYSPレーシングチーム | 0.125 |
3位 | 津田 拓也 | ヨシムラスズキレーシングチーム | 0.659 |
4位 | 柳川 明 |
TEAM GREEN | 0.672 |
5位 | 加賀山 就臣 | Team KAGAYAMA | 0.790 |
6位 | 藤田 拓哉 | DOGFIGHTRACING・YAMAHA | 19.152 |
11位 | 今野 由寛 | MotoMap SUPPLY | 2.643 |
順位 | ライダー | チーム名 | Time/gap |
---|---|---|---|
1位 | 秋吉 耕佑 | F.C.C.TSR Honda | 32'21.387 |
2位 | 高橋 巧 | MuSASHiRTハルク・プロ | 17.446 |
3位 | 中須賀 克行 | ヤマハYSPレーシングチーム | 26.583 |
4位 | 柳川 明 |
TEAM GREEN | 31.223 |
6位 | 加賀山 就臣 | Team KAGAYAMA | 57.481 |
8位 | 今野 由寛 | MotoMap SUPPLY | 1'06.270 |
9位 | 津田 拓也 | ヨシムラスズキレーシングチーム | 1'11.784 |
順位 | ライダー | チーム名 | ポイント |
---|---|---|---|
1位 | 秋吉 耕佑 | F.C.C.TSR Honda | 25 |
2位 | 高橋 巧 | MuSASHiRTハルク・プロ | 22 |
3位 | 中須賀 克行 | ヤマハYSPレーシングチーム | 20 |
4位 | 柳川 明 |
TEAM GREEN | 18 |
6位 | 加賀山 就臣 | Team KAGAYAMA | 15 |
8位 | 今野 由寛 | MotoMap SUPPLY | 13 |
9位 | 津田 拓也 | ヨシムラスズキレーシングチーム | 12 |
「今シーズンからJSBにステップアップすることになったんですが、やはりST600とは走らせ方もタイヤの使い方も大きくかわるので、事前テストとレースウィークの走り込みで、徐々に分かってきた中での開幕になりました。今回は木曜から気温も路面温度も上がらずに、しかも日曜はJSBマシン初めての雨で、納得いく走りができないまま終わってしまいました。レースは1周目、1コーナーの混雑で接触しそうになって、うまくペースをつかめずにオープニングラップで順位を大きく落としてしまったのが痛かった。それでも決勝中に、雨の走りをかなり理解できたので、経験値を積むことはできました。もう一回仕切り直しで頑張ります!」
「今シーズン用に車体の仕様を変更したこともあって、戦闘力が上がった分、ドライでのセッティングを詰め切れないままの開幕戦になってしまいました。雨のレースになったんですが、本来は苦手な雨も、朝のウォームアップランからうまく走ることができました。レースは序盤から加賀山さんの後方につけて、なんとかここに食らいつこうと思ったんですが、徐々に引き離されてしまって…。なんとかこの順位をキープしようと思ったんですが、安田君にもかわされての8位になりました。もう少しドライでのセッティングを詰めて、今日のトップ6に割り込んでいけるようなシーズンにしたいですね。」
「まだ昨シーズンの負傷が完治していないのと、シーズン直前に再入院して手術したことで、体調が万全ではない中、とにかく無事に走りきって1ポイントでも取ろう、と考えての出場でした。事前テストも参加できず、レースウィークからの走行になったのですが、走るたびにタイムは上がるものの、やはり欲も出てきてしまって、自分を抑えながらの走行になりましたね。レース中は、雨ということもあって、とにかく自分を抑えて、無事に完走する、というチーム全員との約束を守ろうと思って走りました。6位という順位はとうてい納得できませんが、この6位15ポイントがシーズン終盤のチャンピオン争いに効いてくることを信じています。」