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 若干 21 歳の鈴木道雄が 1909 年に創業した「鈴木式織機製作所」は、従業員も有力な後援者もいないたった一人の出発であった。しかし、道雄の強い「パイオニア精神」によって独創的なアイディアが盛り込まれた鈴木式織機は、またたく間に評判となり順調なスタートを切った。1920 年には「鈴木式織機株式会社」へと法人設立するまでに成長し、日本はもとより東南アジアにもその名は知られ渡っていた。

 1930 年代半ば、そんな道雄に転機が訪れる。ある日インドの紡績工場で 50 年前の織機が現役で使われているという話を耳にした。道雄は織機業界の先行きに疑問を抱き、新しい分野への進出として小型自動車の生産を考える。それは今後の国民の生活レベルの向上、自社の技術力などを加味した上での結論だった。
1936 年から鈴木三郎を研究グループの主任に置き、まずオートバイ用エンジンの試作にとりかかった。翌年の秋には第一号機エンジンが完成し、1939 年夏には念願の自動車用試作エンジンを積んだ試作車も造られた。3,500 回転で 13 馬力を発生するそのエンジンは、当時のライバル車達と比較しても優秀な性能を誇っていた。


創業当時の鈴木式織機製作所販売店舗。(1909 年)
鈴木道雄は浜松市に織機製造所を創立する前までは、大工に弟子入りしていた。その時に学んだ織機製造の技術をもとに若くして独立し、成功をつかんだ。


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