ABS制動システム
ABS※1とは、制動時に前後の車輪速度を検知し、ブレーキの効きを自動的にコントロールし、車輪のロックを防ぐ機構である。通常、ブレーキを掛けると、マスターシリンダーからの液圧で、キャリパーがディスクを挟み、制動力が発生する。そして、車輪速度の低下にともない、車体速度も低下していく。この車輪速度と車体速度の差が開いたまま、車輪速度が時速0kmになることがロックした状態である。そこでABSは、ライダー側からのブレーキ操作の入力が続く限り、車体速度と車輪速度の差が大きくなるとブレーキ圧の保持と減圧を自動的に繰り返し、車輪のロックを回避。車輪速度が車体速度に近づくと、徐々にライダーからの入力圧を超えるまでブレーキ圧の増圧を行なう。※2これを繰り返し、機械的に制御することにより、車輪をロックさせずに減速することを可能としている。※3
※1:Anti-Lock Brake System
※2:ライダーからの入力圧を超える増圧補助は行ないません。
※3:ABSは制動距離を短くしたり、転倒を回避したりするための安全装置ではありません。あくまでもライダーのブレーキ操作を一定範囲内で補助するためのものです。ABSを装着していない車両と同様、コーナー手前での十分な減速や急のつく操作の回避などが必要です。
ABSユニット
ECU※1とHU※2が一体化された軽量・コンパクトなABSユニットを車体中心近くにマウントすることにより、マス集中化を図り、操縦安定性の向上に貢献。ECUは1秒間に約100回車輪速度を演算する16bitのマイコンを採用し、制御を行なっている。また、前後車輪速度差、車体速度、バルブ開閉時間など、数百にもおよぶ制御パラメーターの情報を処理することにより、車体の安定感やブレーキフィーリングの向上に貢献している。
※1:Electronic Control Unit
※2:Hydraulic Unit
ホイールスピードセンサー
車輪速度を検知するホイールスピードセンサーにはアクティブセンサーを採用し、低速から高速にいたるまで安定した車輪速度を計測。センサーローターには、軽量で、シンプルなプレート式を採用している。
自己診断機能とABS警告灯※
ABSユニットには自己診断機能を装備。ユニットは常に自己診断を行ない、異常発生時には、電気的に検知した異常を故障コードとして記憶するとともにABS警告灯を点灯させ、ライダーに異常を知らせる。また、フェールセーフリレーがOFFになり、ABS機構を非作動とし、以後は通常のブレーキとして作動させる。
※ABS警告灯が点灯した場合、すみやかにお近くのスズキ二輪車取扱い販売店で点検整備を受けてください。
