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2017-2018 FIM 世界耐久選手権 第41回 鈴鹿8時間耐久ロードレース
2018.07.27
予選レポート
ヨシムラスズキMOTULレーシングが予選4番手。
28日のトップ10トライアルでさらに上位を狙う。
第41回目を迎えた鈴鹿8時間耐久ロードレースがいよいよ開幕。7月26日の公式練習を経て、27日に公式予選が行われた。

台風12号の接近により天候が心配されたが、予選では全てのセッションがドライで行われた。予選はブルー(第一ライダー)、イエロー(第二ライダー)、レッド(第三ライダー)の順番で、20分のタイムアタックが各2回行われる。鈴鹿8耐の予選順位は各チームでの出走ライダーの予選ベストの平均タイムで決定されるので、ライダー全員のアベレージタイムが求められる難しさがある。

12時20分より、ライダーブルーによる公式予選の1回目が開始。路面温度は49℃からスタート。最終的には53℃まで路面温度は上がっていく。ここ最近の猛暑に比べると比較的過ごしやすい気候であったが、1回目の予選は各クラス赤旗中断となる荒れた展開となった。

そんな中、スズキ勢は#12 ヨシムラスズキMOTULレーシング(以下ヨシムラ)が、3人のライダー全員が2分7秒台に入れる走りで総合4番手につける。以下、#95 S-PULSE DREAM RACING・IAI(以下エスパルス)が9番手。#71 Team KAGAYAMA U.S.A.(以下チームカガヤマ)が14番手。#2 Suzuki Endurance Racing Team(以下SERT)15番手。#9 MotoMap SUPPLY(以下モトマップ)はSSTクラス2番手となる総合27番。#31 浜松チームタイタン(以下タイタン)が57番手となり、2回目の予選でのジャンプアップを狙う。

ピットウォークと4時間耐久レースの予選を挟んで、16時15分より2回目の公式予選がスタート。気温は31℃とまだまだ高いが、路面温度は41℃から時間とともに徐々に下がる方向で、タイムアップの期待が膨らむ。

結果的にヨシムラは2回目のタイムアップはならなかったものの、アベレージタイム2'07.588で総合4番手を獲得。また、エスパルスはトミー・ブライドウェルの転倒があったものの、2分7秒台に入れる走りを披露。渡辺一樹も2分7秒台に入れ、アベレージタイムが2'08.153で総合6番手。トップ10トライアルに駒を進めた。この2チームは28日に行われるトップ10トライアルにより、最終的なグリッドが確定する。

以下、チームカガヤマが13番。SERTが17番。モトマップはSSTクラス3位となる総合28番手。タイタンが58番手でグリッドが確定した。

なお、GPスクエアにて土曜日に予定されていたイベントは、台風12号接近のため残念ながら中止となった。

#12 ヨシムラスズキMOTULレーシング 津田 拓也
「ウィーク中の路面温度が低い中でセットアップを詰めていたところもあるので、予選1回目の50℃を超えるような路面だと、フィーリングがちょっと変わってしまいましたね。ただ、決勝に向けて方向性はしっかり定まってきたので、そこはポジティブに捉えています。3人とも同じようなタイムで走れているのが精神的にも強みとなっています。」
#12 ヨシムラスズキMOTULレーシング シルバン・ギントーリ
「チームとしては良かったよ。全員7秒台で走れているし、僕はユーズドタイヤでそれを記録できたからね。とりあえず、明日のトップ10トライアルにも残れたしね。天気がどうなるか分からないけど、しっかり準備は出来ているよ。」
#12 ヨシムラスズキMOTULレーシング ブラッドリー・レイ
「自己ベストタイムも記録出来て、ステップ・バイ・ステップで良くなっているよ。あとは少しのアジャストで決勝に向けてより良く出来ると思うよ。決勝はこのままドライであって欲しいけど、地元のイギリスは雨が多いからどんな天候だって問題ないけどね。」
#12 ヨシムラスズキMOTULレーシング 加藤 陽平 監督
「ヤマハさんやカワサキさんも速いけど、ベストのラップタイムの差ほどトップとの差はないと思っています。3人ともアベレージも悪くないし、パッケージングも現状ではベストに近い。決勝は良い勝負が出来ると思います。」
#95 S-PULSE DREAM RACING・IAI 生形 秀之
「自分がマシンのベースをつくって、あとは2人に頑張ってもらおうなんて思っていたんですけど、予選でちょっとした転倒があったりでチームにバタバタさせてしまいました。でも、トミーも一樹も7秒台に入れてくれて、チームも良い仕事をしてくれているので、このままの調子で行きたいですね。」
#95 S-PULSE DREAM RACING・IAI トミー・ブライドウェル
「マシンも自分のフィーリングもとても良いよ。2回目の予選ではアレックス・ロウズ(ヤマハ)と接触して転倒してしまったけど、怪我も大したことなかったし、レース用タイヤで7秒台にも入ったから、ほぼ理想通りにすべてが進んでいるよ。明日のトップ10トライアルはちょっと軟らかいタイヤを使えるから、頑張ってタイムアタックするから楽しみにね。」
#95 S-PULSE DREAM RACING・IAI 渡辺 一樹
「チームとしては転倒があったりで予定通りの流れではなかったのかもしれないですが、マシンは良いところでバランスしているし、まとまってきています。今日の予選はメインカーを使うことになってしまったので、105%でプッシュすることはできませんでしたが、それでもコンスタントに良いラップタイムが刻めたので、決勝に向けては良い方向です。明日、トップ10トライアルではライダーとして魅せる走りをしますよ!」
#71 Team KAGAYAMA U.S.A. 加賀山 就臣
「今日の予選はちょっと残念でした。決勝がもちろん大事ですけど、チームや支えてくれるスポンサーの方々を思うと、やっぱりトップ10トライアルには出たかったです。思ったよりも路面温度が上がっちゃったので、想定していたタイヤとちょっとマッチングが悪かったです。でも、決勝はまた違う話だから、なんとか追い上げて良いレースをします。」
#71 Team KAGAYAMA U.S.A. 浦本 修充
「思ったよりもペースが上げられなくて、とにかく悔しい気持ちでいっぱいです。なんとかトップ10トライアルも出たかったのですが・・・。データで自分の遅いところを確認したので、決勝までに修正して良い走りで結果を出したいです。」
#71 Team KAGAYAMA U.S.A. ジョー・ロバーツ
「昨日からビッグステップを果たせたと思います。コースが混んでいなければ、もうちょっと良いタイムが出せたと思うけど、8秒まで出せたのは嬉しいです。普段乗っているMOTO2マシンよりも大きくて乗るのはハードだけど、走るのがとても楽しい。決勝が楽しみです。」
#71 Team KAGAYAMA U.S.A. ケビン・シュワンツ 監督
「全員、もうちょっとタイムが出せると思っていたし、トップ10トライアルに残ることも期待していたんだけどね。ただ、64台が一斉に走っているんだ。運もあるよね。全員がクラッシュなしで無事に走れたことをまずは喜ばないと。優勝を狙っているか?って。もちろん。天気や路面コンディションで何が起こるか分からない。決勝後のパーティーで笑顔で会おうぜ!」
#2 Suzuki Endurance Racing Team ヴァンサン・フィリップ
「タイム的には、まあまあってところだけれど、合同テストのときに比べるとずいぶん進化することが出来たね。まだ、絶対的な安心感が得られるほどセットアップは完璧ではないけど、安全マージンを取りながら、コンスタントなリズムで走ることが出来るようになってきたよ。」
#2 Suzuki Endurance Racing Team エティエンヌ・マッソン
「昨年使っていたマシンは従来型だったけど、新型になってマシンは大きなステップアップをしたよ。予選では限界までのアタックをしたわけではなく、レースタイヤでシミュレーションをしながら走行したんだけど、悪くなかったね。」
#2 Suzuki Endurance Racing Team グレッグ・ブラック
「レースに向けてのセットアップは順調だよ。1周のラップタイムは驚くようなものじゃないけど、3人とも良いリズムでコンスタントに走れるから、決勝では良い順位を獲得出来ると確信している。シングルフィニッシュを狙いたいね。」
#9 MotoMap SUPPLY 今野 由寛
「ライダーとしては一発のタイム出しにこだわっていきたいところもあるのですが、SSTクラスはなかなかそれが出来ないのでちょっとフラストレーションの溜まるところもありますね。でも、とにかくチーム一丸となって決勝に向けて良い形になってきました。アベレージも上がっているので、8時間走った後にどこにいられるのか、とても楽しみです。」
#9 MotoMap SUPPLY 青木 宣篤
「合同テストのときに比べて、セットアップは確実に進んでいます。予選ではもっとタイムを出したかったんですが、ちょっとしたトラブルがあってタイヤの美味しいところを使えないで終わってしまった。ライダーとしてそこは悔しいかな。ただ、SSTの戦い方はまた違うから、上手く組み立てて決勝を戦い抜きたいと思います。」
#9 MotoMap SUPPLY ジョシュ・ウォーターズ
「予選は、う~ん。まあまあかな。とにかく少しずつ良くなってきているよ。ベストタイムもアベレージも上がっているし、決勝に向けては良いフィーリングだ。あとはとにかく出来る限り、ハードにトライするだけさ。チームとスズキのためにもね。」
#31 浜松チームタイタン 和田 憲史郎
「ライダーが2人なので、セットアップを進めるのは比較的ラクでしたね。時間もないわりには、スムーズに作業が進んで上手くまとめることが出来ました。あまり悩むことなく走りに集中することが出来るので、決勝は2人でもなんとか乗り切れそうです。」
#31 浜松チームタイタン 上林 隆洸
「朝のフリー走行でバランスが良くなって、まとまってきた感触があります。予選はアタックせずに決勝をイメージしながら走りました。2人体制なので、なるべく楽にコンスタントに走れるマシンを目指してセットアップしたのですが、その目標は達成出来ました。」
PHOTO GALLERY
RESULT
2018年 鈴鹿8時間耐久ロードレース 予選結果
順位ゼッケンクラスチーム名ライダーマシン平均タイム
1#11EWCKawasaki Team GREEN渡辺 一馬
Leon Haslam
Jonathan Rea
KAWASAKI2'06.448
2#21EWCYAMAHA FACTORY RACING TEAM中須賀 克行
Alex Lowes
Michael van der Mark
YAMAHA2'06.770
3#33EWCRed Bull Honda with 日本郵便高橋 巧
中上 貴晶
Patrick Jacobsen
HONDA2'07.373
4#12EWCヨシムラスズキMOTULレーシング津田 拓也
シルバン・ギントーリ
ブラッドリー・レイ
SUZUKI
GSX-R1000
2'07.588
5#634EWCMuSASHi RT HARC-PRO.Honda水野 涼
Dominique Aegerter
Randy De Puniet
HONDA2'07.896
6#95EWCS-PULSE DREAM RACING・IAI生形 秀之
トミー・ブライドウェル
渡辺 一樹
SUZUKI
GSX-R1000
2'08.153
7#090EWCau・テルル MotoUP RT秋吉 耕佑
長島 哲太
Isaac Vinales
HONDA2'08.184
8#7EWCYART-YAMAHABroc Parkes
Marvin Fritz
藤田 拓哉
YAMAHA2'08.239
9#19EWCKYB MORIWAKI MOTUL RACING清成 龍一
高橋 裕紀
Dan Linfoot
HONDA2'08.397
10#79EWCTeam SuP Dream Honda山口 辰也
岩戸 亮介
作本 輝介
HONDA2'08.765
13#71EWCTeam KAGAYAMA U.S.A.加賀山 就臣
ジョー・ロバーツ
浦本 修充
SUZUKI
GSX-R1000
2'09.237
17#2EWCSUZUKI ENDURANCE RACING TEAMヴァンサン・フィリップ
エティエンヌ・マッソン
グレッグ・ブラック
SUZUKI
GSX-R1000
2'10.203
28#9SSTMotoMapSUPPLY今野 由寛
ジョシュ・ウォーターズ
青木 宣篤
SUZUKI
GSX-R1000
2'11.747
37#02EWCTEAM R2CL MKS PARTELXAClinton Seller
Billy McConnell
Aaron Morris
SUZUKI
GSX-R1000
2'13.045
41#27EWCTransMapレーシングwith ACE CAFE大石 正彦
行村 和樹
SUZUKI
GSX-R1000
2'14.233
51#29EWCDOG HOUSE岩谷 圭太
左村 英祐
SUZUKI
GSX-R1000
2'16.064
58#31EWC浜松チームタイタン和田 憲史郎
上林 隆洸
SUZUKI
GSX-R1000
2'16.970