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2017.07.30
2017年 鈴鹿8時間耐久ロードレース
決勝レポート
#12 ヨシムラスズキMOTULレーシング 序盤の転倒から追い上げ7位でゴール
#1 SUZUKI ENDURANCE RACING TEAMはシリーズランキング2位を獲得
いよいよ決勝日を迎えた。快晴を期待したかったが、朝からどんよりとした雲が空を覆い、朝8時半からのウォームアップ走行は雨雲の行方を見守りながらスタートとなった。気温は26度、路面温度は28度とこの時期としては低め。

1周目を先頭でクリアしたのは#12。決勝での積極的な走りを期待させる。天気も心配されるが、開始して22分ほど経過した8時51分にピットロード入り口で転倒車両が出たことから赤旗中断となり、決勝での波乱を予感させる。鈴鹿サーキットには今回、世界の二輪レースを統括するFIMのスタッフが来ており、安全面への今まで以上の配慮がされていることが、レースウイークを通してこうした赤旗の多さからうかがい知れる。

8時58分にセッションが再開されたが直後に雨が強くなり、多くのライダーが走行を止めた。そんな中#1はレインタイヤを用意し、マシンをピットインさせてタイヤ交換。あらゆるレース状況へ対応できるよう準備を重ねている。結局、フルウエットになった状態でこのセッションは終了となった。#12は2番手に付け、#95が6番手、#71は11番手、#1は20番手でこのセッションを終えた。ウイークを通じて今一つタイムが上げられない印象の#1だが、全体的にスローペースなこのセッションでは自分たちで記録した予選並みの2分11秒台にタイムを入れており、高いアベレージで決勝が戦える状態になってきていることをうかがわせる。

その後雨は止み、路面はドライに。午前11時時点で気温28度、路面温度29度と、今一つ温度が上がらない。空はどんよりとした曇り。

そうしたコンディションの下でレースはスタート。#71ハフィスがうまく飛び出し、1周目を4番手でクリアする。期待の#12津田はスタートで出遅れてしまい、1周目を11番手で通過する。ポジションを大きく上げたい津田だったが、2周目のヘアピンで転倒を喫してしまい、すぐに再スタートしたものの、マシン修復のためピットに戻ってくる。結局、3周ほどロスして復帰。順位は60番手となったが時間はほぼ8時間あり、上位進出はまだ十分可能だ。

10周ほどしたあたりから西コースで小雨が降り出してしまい、ペースが全体的に落ちていく。東コースはドライだが、西コースが雨という難しいコンディションは、鈴鹿を走り慣れている日本人ライダーと対照的に、初の鈴鹿、初の8耐という#71ハフィスにとっては過酷なコンディションだ。しかし冷静に状況を判断しながら、上位陣と遜色のない2分11秒台から2分13秒台でラップし、上位に食らい付いていく。雨は本格的に降ることなく止み、再び路面はドライコンディションに。#71ハフィスは24周してピットイン。マシンを加賀山に託す。

ちょうどスタートから1時間経過した12時半にシケインでクラッシュが発生し、その対応のためにセーフティカーが入り、レースは中立状態に。たまたまルーティンでピットインしていた#1は、ピットアウト後のピット出口がクローズされ大きなタイムロスを負う事となった。この時点で#71が5番手、#03が6番手、#1は36番手、#95は53番手、#12は60番手。セーフティカーは10分間入り、12時40分にリスタートとなった。

スタートから2時間27分経過した13時57分、20番手まで挽回していた#1濱原がスプーンで転倒。すぐに再スタートし、ピットに戻ってくる。マシンを受けとったチームは僅か4分で修復し、ヴァンサンに交代してコースに送り出す。そのピット作業の速さに、観客席から拍手が送られた。

#71加賀山は27周してピットイン。マシンを再びハフィスに託す。また#12シルバンが28周してピットインした際にマイナートラブル対策をしたようで、やや長めのピット作業を強いられてしまったが、マシンを受けとった津田はその後安定して2分8秒から9秒台でラップし、順位を順調に上げていく。

3時間経過時の順位は#71が6番手、#03が12番手、#12が28番手、#1が30番手、#95が50番手。

4時間経過時は、#71が6番手、#03は10番手、#12が19番手まで順位を戻し、#1も26番手とアップ。#95も42番手と上げてきている。

16時34分に#72ハフィスが予定通り27周してピットイン。ところがピットにマシンを入れ、チームはカウルを外しだした。ペース的には安定していたのだがライトが点かず、その対応を強いられてしまったのだ。結局、5分ほどのピットストップでタイムロスしてしまい、加賀山がコースに戻ったときには18番手となっていた。

また5時間経過し、周囲が2分12秒から15秒台でラップするのに対し、#12津田やシルバンが2分9秒台で走り、順位を15番手まで上げてきた。

さらに#12ジョシュもハイペースでラップし、151周目には11番手までポジションを上げる。前後のライダーが2分14秒や15秒台に対し、ジョシュは2分9秒台のため、その差は一気に詰まり、161周目には10番手にアップする。

ラスト38分となる午後6時52分にセーフティカーが入り、全車スロー走行に入る。

200周目に#12ジョシュは7番手にポジションアップ。ラスト10分を切った207周目に2'09.950、208周目2'09.878と連続2分9秒台でラップし、最後まで全力走行を続ける。

結局、#12 ヨシムラスズキMOTULレーシングは7位とスズキ最上位でゴール。#03 MotoMapSUPPLY FutureAccessが9位、#71 Team KAGAYAMAは17位、#1 SUZUKI ENDURANCE RACING TEAMは18位でゴール。シリーズランキングを争っていたライバルチームが11位でゴールしたため、ランキング2位で2016-2017シーズンを終了した。#95 S-PULSE DREAM RACING・IAIは終盤に追い上げ、23位でフィニッシュした。

ヨシムラスズキMOTULレーシング 津田 拓也
「スタートでミスをしてしまい、先行したチームを追う形でレースが始まってしまいました。焦りはなかったつもりでしたが、他のチームと接触して転倒してしまい、マシンを壊してしまいました。もっと良い結果をチームにもたらすことができず、申し訳なく思っています。しかし最終的に7位でフィニッシュするまで力を合わせて頑張ってくれたチームと二人のライダーに感謝しています。このレースを通じて、自分はもっと強くならなければならないことを認識しました。そして自分はまだ、レースライダーとして成長できる余地があると感じています。」
ヨシムラスズキMOTULレーシング シルバン・ギントーリ
「初めての鈴鹿8耐で、とても良い経験になりました。ヨシムラチームとの連携は、とても素晴らしいものでした。残念ながら我々は、レースが始まってすぐにクラッシュし、5ラップを失ってしまいましたが、拓也、ジョシュそして私は本当に頑張って挽回し、4ラップにまで取り戻すことができました。だからこそ残念な結果です。しかしいくつかのポジティブなこともありました。新型GSX-Rはとても良かった。いくつかのトラブルがあったけれども、これこそが『レース』だと思います。ヨシムラチームにはこの経験を感謝していますし、私たちは次こそ勝てると確信しています。」
ヨシムラスズキMOTULレーシング ジョシュ・ブルックス
「このレースには、多くのプレッシャーがかかっていて、順位を落としてしまったことはとても悲しい。拓也は多くの責任を感じていて、ミスを犯してしまう状況にあったのではないかと私は理解しています。だから私は拓也には怒っていないし、最終的には7位にまで取り戻すことができました。順位はともかく、このレースでは観客とスズキファンの皆さんには、チームと新型バイクのポテンシャルが充分にあることを理解いただけたのではないかと思います。そう感じていただければ、結果は残念でしたが私はハッピーです。」
MotoMapSUPPLY FutureAccess ジョシュ・ウォーターズ
「今朝のウォームアップ走行でセットアップに大きな変更を加えたら、それがすごく良い方向に進み、決勝でも気持ち良く走ることができました。最高のチームメイト、チームスタッフに支えられて、いつも日本でのレースは最高です。楽しい8耐になりました。」
MotoMapSUPPLY FutureAccess 青木 宣篤
「7月の最初のテストではまったく出口が見えないような状態で、そこから限られた時間の中でマシンを仕上げてきたのですが、今朝のウォームアップ走行で「これだ!」というセットアップが見つかり、結果的にレースではとても気持ちよく走ることができました。最後まで誰一人諦めず、それぞれのできる作業を進めたおかげだと思います。奇跡です。スタッフのみんなに感謝です。」
MotoMapSUPPLY FutureAccess 今野 由寛
「7月のテスト、レースウイークという短い時間の中でマシンを仕上げなければならず、しかも去年、自分たちがテストしていたものが今年の全日本前半戦の中で少し別の方向性に進んでいたこともあり、そのアジャストにとても苦労してしまいました。ウイークを通じて徐々に見えてきてはいたのですが、今朝のウォームアップ走行でうまくまとまり、それがレースで自分たちの走りを支えてくれました。奇跡と言ってもいいと思います。チームスタッフも完璧な仕事をしてくれて、本当に感謝しています。そしてなんと言ってもジョシュが素晴らしい走りをしてくれて、チームを引っ張ってくれました。感謝の一言です。」
Team KAGAYAMA 加賀山 就臣
「上位にトラブルが出たら表彰台に上れるという位置を狙い通り走ることができていたのですが、ヘッドライトトラブルが自分たちに出てしまい、大きく順位を落としてしまいました。スタート前の予定では前半をハフィスに頑張ってもらって、回りが疲れてきたころに加賀山投入でペースアップ、という狙いだったのですが、2回目のスティントで頑張りすぎてしまい、脱水症状を起こしてしまいました。走行後フラフラになっている自分をハフィスが見て、難しいなら自分が走ると言ってくれて、結果的に彼に任せることにしました。レース結果は残念ですが、自分はこの8耐というレースに、若手の海外のライダーを招聘し、日本のレースの楽しさを感じてもらって、8耐って楽しいよって回りに言ってもらえれば良いなと思っていて、それを今年もハフィスが感じてくれたみたいなので、その部分での目的は果たせました。スポンサーの皆さんには結果で恩返しできなかったのは申し訳なく思います。ぜひ結果で恩返ししたいので、引き続き応援してください。宜しくお願いします!」
Team KAGAYAMA ハフィス・シャーリン
「私たちは良いレースをしましたが、電気系統に問題が出てしまい、ライトが点灯せず、それは不運な問題でした。 私たちは5分から10分ほど停止する必要がありました。 そこで、我々は11のポジションを失ってしまった。問題がなければ、私はトップ5に入ったと確信しています。スタートをはじめ、すべてが初めてだった。私は本当に鈴鹿8時間を楽しむことができました。 チームには、非常に協力してくれてありがとうと言いたい。このバイクでのライディングを改善し、良いラップタイムを得るのをサポートしてくれて感謝しています。もう一度2018年に、このチームで、鈴鹿8耐にチャレンジしたいと思います。」
Team KAGAYAMA 浦本 修充
「予選では良いタイムが刻めて、それは自信になったし一皮剥けた気がするのですが、レースの特に2回目のスティントでペースが上げられず、そこは不甲斐なく感じています。もっと精進します。」
SUZUKI ENDURANCE RACING TEAM ヴァンサン・フィリップ
「コメントするのも厳しいね。とても難しいシーズンでした。私たちはいくつかのミスを犯してしまい、サーキットで充分なパフォーマンスを発揮することができませんでした。いつも無理をし過ぎていたのかもしれません。そしてクラッシュが起きました。来年は、もっと良いレースができると思います。私たちは限界にあったのに、さらにプッシュすることでクラッシュしてしまいました。ランキング2位は当然の結果だと思います。」
SUZUKI ENDURANCE RACING TEAM エティエンヌ・マッソン
「私たちはもっと上を目ざしていましたが、クラッシュの後に速く走るのは少し難しかった。 チームは非常に良い仕事をしています。ピットストップは非常に速かったし、来年は新しいGSX-R1000になるので、さらに良くなると確信しています。 我々はそれほど悪くはなかったと思います。我々はチャンピオンシップで2位を取りました。 本当のことを言えば、今年はもっと良い結果が欲しかったのですが。」
SUZUKI ENDURANCE RACING TEAM 濱原 颯道
「クラッシュをしてしまい申し訳ありません。 自分では慌てないようにしようと思っていましたが、ライバルチームから1周遅れだったので、無理をしてしまったかもしれません。それほど無理をしていなかったのですが、それでも予選と同じラップタイムを維持することができました。転倒後、すぐに気持ちを切り替え、信頼できる仲間がいるピットに急ぎました。 2回目の走行では、転倒したときのタイヤを使用したくなかったので、余計にラップタイムを落としてしまいました。 その後もレースを続けましたが、現実的に私たちの立場は、ライバルにプレッシャーをかけられるようなポジションではなかったこともあり、私はマージンを取って走りました。 申し訳ない思いでいっぱいです。」
S-PULSE DREAM RACING・IAI 生形 秀之
「2周目のヘアピンで後ろから追突された上に、他のマシンに横から突っ込まれてしまい、シートカウルがほぼない状態で最初のスティントを走らなければいけなくなってしまい、最初から難しいレースになってしまいました。それでも最後まで諦めずに走り続けたのですが、他にも影響が少し出てしまったりして、思うような走りはできませんでした。」
S-PULSE DREAM RACING・IAI マーセル・シュロッター
「最初のスティントはうまく走れたのですが、途中で蕁麻疹が出てしまい、コンディション的に難しくなってしまいました。素晴らしいチーム、マシンでレースができて、とても楽しいレースウイークでした。スタッフのみんなに感謝しています。」
S-PULSE DREAM RACING・IAI アレックス・カドリン
「レースは本当に楽しかったですが、結果は私たちが望んでいたものではありませんでした。 私たちはトップ5に入るポテンシャルがあると思う。トップ10に入ることは間違いない。しかし、他のバイクが我々のバイクにヒットし、大きなダメージを与えてしまった。 チームは本当に良い仕事をしてくれました。ピットストップは本当に速かったし、メカニックも本当に良かった。 このチームに参加するのは本当に良かったです。 日本人チームに加わるのは初めてでしたが、正直に言うと、私にとってこれまでで最も楽しいレースの一つとなりました。ストレスはなく、常に楽しかったです。」
RESULT
2017年 鈴鹿8時間耐久ロードレース 決勝結果
順位ゼッケンチーム名マシンライダー周回数
1#21ヤマハ ファクトリー レーシング チームYAMAHA中須賀 克行
Alex Lowes
Michael van der Mark
216
2#11Kawasaki Team GREENKawasaki渡辺 一馬
Leon HASLAM
Azlan Shah Bin Kamaruzaman
216
3#5F.C.C.TSR HondaHondaDominique Aegerter
Randy De Puniet
Josh Hook
215
4#634MuSASHi RT HARC-PRO.HondaHonda高橋 巧
Jack Miller
中上 貴晶
214
5#7YART-YAMAHAYAMAHABroc Parkes
野左根 航汰
Marvin Fritz
212
6#104Honda Dream RacingHonda小山 知良
岩戸 亮介
山口 辰也
212
7#12ヨシムラスズキMOTULレーシングSUZUKI
GSX-R1000
シルバン・ギントーリ
ジョシュ・ブルックス
津田 拓也
212
8#22Satu HATI. Honda Team AsiaHondaDimas Ekky Pratama
Md. Zaqhwan Zaidi
Ratthapong Wilairot
211
9#03MotoMapSUPPLY FutureAccessSUZUKI
GSX-R1000
ジョシュ・ウォーターズ
青木 宣篤
今野 由寛
211
10#72Honda Dream RT 桜井ホンダHonda水野 涼
Jason Mark O'HALLORAN
Jamie Stauffer
211
17#71Team KAGAYAMASUZUKI
GSX-R1000
加賀山 就臣
ハフィス・シャーリン
浦本 修充
207
18#1SUZUKI ENDURANCE RACING TEAMSUZUKI
GSX-R1000
ヴァンサン・フィリップ
エティエンヌ・マッソン
濱原 颯道
207
23#95S-PULSE DREAM RACING・IAISUZUKI
GSX-R1000
生形 秀之
マーセル・シュロッタ―
アレックス・カドリン
204
40#27TransMapレーシング・
Team長野 with ACE CAFE
SUZUKI
GSX-R1000
大石 正彦
櫻山 茂昇
木佐森 大介
195
49#20KMⅡ Z-TECHSUZUKI
GSX-R1000
和田 憲史郎
川瀬 和希
齋藤 達郎
184
50#29DOG HOUSE BOM KOODSUZUKI
GSX-R1000
岩谷 圭太
安福 央樹
吉道 竜也
183
54#31浜松チームタイタンSUZUKI
GSX-R1000
犬木 翼
武田 数馬
大城 光
176
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