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2017.07.14
2017年 鈴鹿8時間耐久ロードレース
合同テストレポート
スズキ勢、8耐最後の調整を終え
いよいよレースウイークへ
今年で40回目を迎える国内二輪ロードレース最大規模のイベント、鈴鹿8時間耐久ロードレースが今年は7月30日決勝で行われる。例年通り、決勝に向けた車両メーカーとタイヤメーカーテストが7月5日・6日に、合同テストが11日・12日・13日に三重県鈴鹿サーキットで行われた。

まだ梅雨の明けないこの時期に行われるテストは、レースウイークが真夏日になることがほとんどのため、できる限りドライ、それも高温下で走行したいところ。ところが最初のテスト直前に台風3号が発生し、5日に三重県を通過するという予報が出てしまった。結果的にこの台風は前日に通過したものの、最初のテストとなる5日の3本の走行は、1本目がフルウエット。2本目が降ったり止んだりのハーフウエット、3本目はドライタイヤで走行できるコンディションになったものの、途中で雨が降り出すという難しいコンディションになってしまった。

初回のテストにスズキ勢からは、YOSHIMURA SUZUKI MOTUL RACING(以下、ヨシムラ)の津田拓也、シルバン・ギントーリ、Team KAGAYAMA(以下、カガヤマ)の加賀山就臣と浦本修充、S-PULSE DREAM RACING・IAI(以下、エスパルス)から生形秀之とマーセル・シュロッター、MotoMapSUPPLY FutureAccess(以下、モトマップ)の今野由寛と青木宣篤らが参加した。

フルウエットの1本目はカガヤマが2'21.212でトップタイムをマーク。 好調な滑り出しを見せた。7番手に2'26.607でヨシムラ、13番手にモトマップが2'28.984、エスパルスが2'35.553で19番手となった。

2本目はカガヤマが2'11.909で2番手、ヨシムラが2'13.587で6番手、モトマップが2'15.592で13番手、エスパルスが2'17.463で19番手。

3本目はヨシムラが2'09.638で2番手、エスパルスが2'11.337で8番手、カガヤマが2'11.492で10番手、モトマップが2'12.974で17番手となった。

翌日はタイヤメーカーテストとなり、天気も回復。朝から爽やかな晴天となった。この日は午前9時からと午後2時からそれぞれ1時間半のセッションが2本行われた。

1本目はヨシムラが2'08.391で2番手、カガヤマが2'09.803で11番手、エスパルスが2'10.258で12番手、モトマップが2'12.179で26番手となった。

2本目はヨシムラが2'07.232でトップ。カガヤマが2'09.177で10番手、エスパルスが2'09.661で13番手、モトマップが2'10.878で19番手となった。

この結果、第1回テスト総合トップは2'07.232でヨシムラ、カガヤマが2'09.177で11番手、エスパルスが2'10.220で15番手、モトマップが2'10.878で20番手となった。

翌週は鈴鹿サーキット主催の合同テストが三日間行われた。このテストはA、B二組に分かれ走行する。初日は12時から45分間のセッションが1回、さらに午後3時15分から75分間のセッションが1回あり、午後6時40分からナイトセッションも行われた。

このテストには、SUZUKI ENDURANCE RACING TEAM(以下、SERT)からヴァンサン・フィリップ、エティエンヌ・マッソン、ヨシムラから津田拓也、シルバン・ギントーリ、ジョシュ・ブルックス、カガヤマから加賀山就臣、浦本修充、ハーフィス・シャハリン、モトマップから今野由寛、青木宣篤、ジョシュ・ウォーターズ、エスパルスから生形秀之とマーセル・シュロッターらが参加した。

1本目A組ではSERTが2'13.022で16番手、B組ではヨシムラが2'09.287でトップ。カガヤマが2'10.503で9番手、エスパルスが2'10.732で11番手、モトマップが2'11.751で15番手となった。

2本目はA組でSERTが2'12.124で15番手、B組ではヨシムラが2'08.179でトップ、エスパルスが2'09.540で6番手、カガヤマが2'10.650で10番手となった。この結果、初日総合ではヨシムラが3番手、エスパルスが14番手、カガヤマが18番手、モトマップが34番手、SERTが37番手となった。

二日目は雨の予報が出ていたが、太陽が顔を出し、ドライコンディションで走行を始めることができた。1本目のA組ではSERTが2'12.268で17番手、B組ではヨシムラが2'07.954でトップ、エスパルスが2'09.403で7番手、カガヤマが2'09.668で9番手、モトマップが2'10.947で12番手となった。

2本目はA組のSERTが2'12.648で17番手、B組ではヨシムラが2'09.475で3番手、エスパルスが2'10.203で7番手、モトマップが2'11.156で12番手となった。

3本目は最初に走るB組の開始直後にゲリラ豪雨のために赤旗中断となってしまい、走行が再開されたものの、その後はフルウエットになってしまった。そんなコンディションの中、B組ではヨシムラが2'08.732で3番手、エスパルスが2'10.984で9番手、カガヤマが2'11.031で11番手、A組ではSERTが2'14.208で5番手となった。二日目総合は、ヨシムラが2番手、エスパルスが14番手、カガヤマが16番手、モトマップが26番手、SERTは36番手となった。

三日目はドライコンディションで全スケジュールを消化。1本目はA組でSERTが2'11.811で14番手、B組ではヨシムラが2'08.838でトップ、エスパルスが2'10.028で7番手、カガヤマが2'10.501で10番手、モトマップが2'10.819で13番手となった。

2本目はA組でSERTが2'12.565で16番手、B組ではヨシムラが2'09.034で3番手、エスパルスが2'09.683で8番手、カガヤマが2'10.372で9番手、モトマップが2'11.192で13番手となった。

3本目はB組でヨシムラが2'08.870で5番手、カガヤマが2'09.032で7番手、エスパルスが2'09.157で8番手、モトマップが2'09.628で12番手、A組ではSERTが2'12.507で18番手となった。

この結果、三日間のテストの総合ではヨシムラが6番手、カガヤマが15番手、エスパルスが18番手、モトマップが23番手、SERTが42番手となった。

これで事前テストはすべて終了。チームはレースウイーク初日となる7月27日まで、さらに準備を進めることになる。

YOSHIMURA SUZUKI MOTUL RACING 加藤 陽平 監督
「比較的順調にテストを進めることができたと感じています。先週と今週のテストの中で、やらないといけないこと、達成しなければいけないこと、評価しなければいけないことがそれぞれあったわけですが、着実にこなせました。あとはこの結果を持って、レースウイークに向けてどのようにまとめていくか、というところですね。今年は新型車両になって初の8耐を迎えるわけですから、難しい部分は当然あります。特にエンジンに関しては、スペック的にこうしたいというものがありますが、なかなか難しいですね。ただ、チームを全体的に見て、ライダー三人のアベレージは昨年よりも確実に良いですし、優勝を狙うライバルに対しても十分勝負を挑める状態になってきていると感じています。」
Team KAGAYAMA 斉藤 雅彦 監督
「鈴鹿サーキットということで考えれば全日本第2戦の鈴鹿2&4のデータをベースにすべきところですが、今年は新型車両ということで、第2戦のときは本当にバタバタして十分な準備ができていないところでレースになってしまいました。ですから、ある程度マシンが仕上がってきている前回の全日本オートポリスの状態をベースに、先週のテストはスタートさせました。やはり状態としてはそちらの方が良くて、さらに耐久仕様にしているので、そのあたりの確認から先週はスタートしました。先週は加賀山と浦本の二人でセットアップを進め、今週は初日だけ浦本が参加し、週末のスペイン選手権参戦のためにそちらへ向かったので、二日目以降は加賀山とハーフィスの二人でセットアップを進めました。ハーフィスはさすがMoto2ライダーだけあって、セットアップは加賀山の仕様そのままで、タイムをどんどん詰めていきました。初めてのサーキットということで、できるだけ多くの時間乗せたのですが、順調にタイムを詰めてくれたのは頼もしいですね。燃費も良いレベルできていますし、できればタイムをもう一つ上のレベルに持っていきたいところです。」
S-PULSE DREAM RACING・IAI 松本 圭司 チーフメカニック
「チームとして初の鈴鹿8耐参戦ということで、春から準備を進めてきていましたが、全日本を戦いながらですし、耐久になるとTカー含め、2台のマシンを走らせないといけないので、本当にここまで大変でした。とは言え、先週、今週のテストでは、そうした準備があったおかげで順調にこなすことができたので、手応えを感じています。昨日も午後は雨が降ることが分かっていたので、午前中に前倒しでテストメニューを行い、うまく全体をマネージメントできた感じですね。マーセルは7秒台にタイムを入れようと狙っているみたいで、そこはチームとしてもバックアップしたいと思います。予選ではぜひトップ10トライアルに出場したいですし、現状ではギリギリくらいなので、もう一つレベルアップさせてあげたいと考えています。生形も9秒台は問題なく出せるので、二人そろって9秒台で走れれば、チームとして狙っている6位入賞圏内もいけるのではないかと思います。」
MotoMapSUPPLY FutureAccess 愛知 靖史 監督
「今年は全日本に参加できていないので、この8耐から始動となりました。多くの方にサポートしていただき、参戦できて感謝しています。このレースに向けて準備を進めてきましたが、エースライダーの今野は走り込んでタイムを出すタイプなので、そこがちょっとまだうまくリズムが出せていない印象です。先週は今野と青木さんの二人で乗ってもらい、今週はそこにジョシュが加わったのですが、外人ライダーならではの視点でコメントを出してくれて、それが良い方向に進んでいる印象です。」
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