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Racing Report
2016年7月4日(月)~6(水)
鈴鹿8時間耐久ロードレース 公開合同テスト
場所:三重県・鈴鹿サーキット

YOSHIMURA、三日間テストで総合トップタイムをマーク
スズキ勢全体が上位に付け、順調な滑り出しを見せる
2016年鈴鹿8耐に向けた公開合同テストが7月4日から6日までの三日間、三重県鈴鹿サーキットで行われた。今回のテストにスズキ勢からは、YOSHIMURA SUZUKI Shell ADVANCEチームが津田拓也と芳賀紀行、 Team KAGAYAMAから加賀山就臣、清成龍一、浦本修充、MotoMap SUPPLYから今野由寛、ジョシュ・ウォーターズ、青木宣篤らが参加した。

例年、まだ梅雨の明けない時期に事前テストが行われ、特に昨年は雨と低い気温によってレースウイークとは大きく異なるコンディションに悩まされたが、今年は多少雨の影響を受けたものの、高温、ドライの中でテストを行うことができた。

初日はYOSHIMURAチームが芳賀、KAGAYAMAチームは清成、MotoMapチームの青木宣篤らが各チームの今年型マシンに初ライドとなることからその対応と、レギュラーライダーによる決勝へ向けたセットアップを平行して進める作業からスタートした。ところが残念ながら午前中のセッションは西コースに雨がパラついてしまい、対して東コースはドライという難しいコンディションになってしまった。それでも各チームともにラップを重ね、マシンに対する理解を進めていった。午後は完全なドライとなり気温も上昇。そんな中、YOSHIMURAチームは芳賀紀行で早くもロングラン走行を敢行。芳賀もこれに応え、順調にこれをクリアして見せた。夜間走行も行われ、初日から決勝に向けた準備が進められていった。この日の総合トップはYOSHIMURAチームの2’08.830、KAGAYAMAチームが総合3番手で2'09.224、MotoMapチームは総合10番手となる2'10.982となった。夜間走行ではYOSHIMURAチームが参考ながら2'07.470をマークし、コンディションが安定していれば7秒台は入れられることが確認できた。

二日目は安定したドライコンディションの中での走行となった。また初日は路面のグリップが今ひとつ上がらず、通常とはやや異なる状況に各ライダーともに手こずっていたが、二日目はグリップが高まり、通常の鈴鹿の路面状況に戻ってきていた。気温もぐんぐん上がり、35度を超える真夏日となった。この日の総合トップに立ったのはKAGAYAMAチームで2'08.642をマーク。しかし午前中には急に上がった路面温度の影響もあり、加賀山、浦本ともに転倒。ライダーにケガはなく、その後も順調にタイムを詰めていっての総合トップタイムとなった。YOSHIMURAチームは路面コンディションの変化にやや対応が遅れた印象で、この日は2’09.413のタイムで総合8番手。MotoMapチームは2'10.516で総合11番手となった。またこの日はYOSHIMURAチームの芳賀が、同チーム伝統の赤と白のスペシャルヘルメットで登場。チームスタッフとファンを喜ばせた。

三日目は早朝まで降り続いた雨が最初のセッション時には少し路面に残る状況の中で、走行スタートとなった。それでも30度を超える真夏日の太陽に路面はすぐ乾き、テストは順調に進められていった。YOSHIMURAチームの津田はこの日も安定してラップし、午前中に2'07秒台へタイムを入れると、午後はさらにタイムアップ。2'07.479をマークし、三日間通しての総合トップとなった。KAGAYAMAチームはこの日、2'08.474で5番手、MotoMapチームは2'09.841で10番手となった。

この後、7月13日、14日は車両メーカー、およびタイヤメーカーテストが行われる。このテストには、YOSHIMURAチームにジョシュ・ブルックスが加わり、また今回は参加しなかったSUZUKI ENDURANCE RACING TEAMも来日し、決勝へ向けた最後の調整が進められることとなる。


YOSHIMURA SUZUKI Shell ADVANCE 加藤 陽平 監督

「初日にはうちのマシンに初ライドとなった芳賀選手にマシンの状態を確認してもらった後、22ラップのロングランをしてもらいました。少し路面コンディションが悪かったのですが、それでも安定した走行を見せてくれたのはさすがですね。二日目は路面コンディションが改善されたのですが、チームとしてそこへの対応が少し遅れてしまい、結果としてタイムを上げることができませんでした。コンディションの変化に対応させるため、二日目のテストが終わってからチームスタッフに神奈川の会社まで部品を取りに戻ってもらいました。その頑張りが功を奏し、三日目にタイムを上げることができました。まだまだテスト項目は残っていますし、決して順調な三日間ではありませんでしたが、手応えを感じる内容ではありました。来週のテストにはジョシュ選手も加わるので、決勝へ向けたいい準備をさらに進めたいと思います。」

Team KAGAYAMA 斉藤 雅彦 監督

「今年のマシンに初乗りとなる清成選手の走り込みと、チームのJSBマシンにほぼ初乗りといってよい状態にある浦本選手のマシンへの慣れが、この三日間のメインテーマでした。セットアップに関しては昨年の状態をベースにしているのですが、タイムを見てもほぼ、昨年3位表彰台を獲得したレベルにはあることが確認できました。ここからさらにどれだけ上積みしていけるかが、今年の結果につながると思います。転倒もありましたし、そこはちょっと課題ですが、来週のテストでさらに前に進みたいと思います。」

MotoMap SUPPLY 愛知 靖史 監督

「鈴鹿8耐を大きなターゲットに、チームとして鈴鹿2&4、全日本第5戦SUGO120マイルとジョシュ・ウォーターズ選手を加えて戦ってきているので、例年より良い準備ができています。今回は青木宣篤選手がそこに加わり、三日間のテストを行いましたが、チームとして大きな柱となっているタイヤの開発という点でも、方向性の確認、マシンセットアップの状態ともにしっかりとこなせたと感じています。もちろんまだまだ解決すべき問題はあるので、来週のテストでそのあたりを含め、メニューをしっかりこなしていきたいと考えています。」